カルシウム拮抗薬は代表的な降圧剤で、「血管を拡張させて血圧を下げる」と非常にシンプルで切れ味も良く副作用が少ないお薬です。血圧を下げることだけを考えればカルシウム拮抗薬に勝る薬はありません。一方で同じ第1選択薬のACE阻害薬・ARBは降圧目的以外に臓器を守る保護作用があります。脳血管・心臓・腎臓などの臓器を保護する力を持ち合わせています。良いことだけを聞くと非常に優秀なお薬に感じますが、カルシウム拮抗薬と比較すると副作用の問題があります。またACE阻害薬・ARBは妊娠、高カリウム血症、両側腎動脈狭窄のある方には使用が出来ません。また腎機能悪化に注意が必要です。またカルシウム拮抗薬のような切れ味はないため、薬の効果が現れるのに少し時間がかかります。つまりカルシウム拮抗薬は「The・降圧剤」として最も使いやすいお薬です。実際、日本では最も処方されている降圧剤です。 カルシウム拮抗薬の使い分け