内部統制を確立する上で,あらかじめ決められた権限以上の操作をできないようにすることは欠かせない。米SOX法対応に取り組んだファイザー日本法人の崎田史也氏は,「アクセス権管理として,システム部門が最優先すべき作業があった」と振り返る。 日本版SOX法では,年度末に監査法人が適切に内部統制されているかを確認する。そのとき,前回示した「(1)アクセス権管理が甘い」「(2)不正入力が可能」「(3)開発と運用が分離できていない」「(4)変更管理ができていない」という状況のままだと,不適切だと判断されるだろう。この大きな四つのリスクをどのようにつぶせばいいのか,順に見ていこう。 部門長に権限リスト配布 内部統制を確立する上で,あらかじめ決められた権限以上の操作をできないようにすることは欠かせない対策の一つだ。例えば,本来なら部長でないと承認できないことが,システム上,一般社員でも承認できるという状況で