石川直樹が生み出してきた膨大な作品群の全容を掴むのは容易ではない。当時世界最年少で7大陸の最高峰に登頂し、北極点から南極点までを人力で踏破する国際プロジェクトに参加するなど、若い頃からエクストリームな世界に身をおいて写真を撮り続け、発表してきた。その表現は、体験をことさら誇張するわけではなく、あくまで客観的に切り取ろうとしているように感じられる。 そして、これまでの被写体は多岐に渡る。ヒマラヤ遠征から先史時代の壁画、日本列島の祭祀、女性の髪、昨今では渋谷の街に繁殖するネズミを撮影しているという。ここでは、石川直樹自身が、何を求め、それが、どのように繋がり表現されてきたのか、話を聞いた。 写真集『NEW DIMENSION』(赤々舎)より 写真集『ARCHIPELAGO』(集英社)より 写真集『NEW DIMENSION』(赤々舎)より 旅をはじめたきっかけを教えてください。 最初は中学2年