前回,「ユーザー要求は,適当なところで切り捨てろ」と主張した。 それに対して多くの関心をお持ちいただき,大変ありがたいことに有益な反応やコメントを頂いた。ご指摘のとおり,「ユーザー要求を切り捨てる」にもユーザーを納得させなければならないし,そのためのユーザー参加もひとつの方法である。一方,適当な切り捨てどころも必要になる。でないとシステムはレイムダック化(弱体化)から抜け出せなくなる。 今回は,その辺について実例を紹介しながら考えてみたい。 手作業を残す代わりに期待効果を免除する 稼働を始めたが機能しないシステムについて,「ユーザー要求の聞き取りが不充分だった」とか,「要求が曖昧だったので」とか,あるいはユーザー側から「要求が不充分だった」と言っても後の祭りであり,言い訳は無意味である。経営幹部はじめシステム構築側,ユーザー側がともに「不充分」だったこと,「曖昧」だったことを前提に,システ
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