三上英次 「刃物を持って自分を殺しに来る相手に、にっこり微笑みかけることだ」 その塩田氏の内弟子として寝食をともにした安藤毎夫氏(53)は、現在「養神館合気道龍」を主宰し、合気道の普及・研鑽に努めている。 (注) 当初、記者から安藤氏には、学習指導要領の改訂にともなう、平成24年からの中学校の〈武道必修化〉をテーマに話を聞く予定であった。しかし、その前の養神館・内弟子時代の裏話や、すでに亡くなっている塩田剛三氏が自宅を訪れたエピソードなど、話題は尽きず、「学習指導要領」に行き着く前に、瞬く間に時間が過ぎてしまった。しかし、安藤氏の経歴は、合気道を学ぶ者に限らず、多くの人にとってヒントや励ましになると思われるので、学校現場での武道教育は次回に譲り、今回は安藤氏のユニークなプロフィールと同氏の目指す合気道の今後について紹介する。(文中敬称略) 塩田剛三氏の著作『合気道修行』(竹内書店新社