手元に1冊の小冊子がある。そこにある言葉を引用することから始めたい。 今この大東[文化大学(まつーら・補)]に来ていろいろな学生諸君に接するようになったが,若いのに何と寡欲の人の多いことか,と驚く。この大学の学生は自らの能力に自ら天井を作ってしまうのだ。とんでもないことである。たとい2度や3度入学試験に失敗したからといって,それがその人の能力の限界を示している訳ではない。ましてや暗記暗記を強いられて,それに成功した人間が高得点を取るような時代であるのならなおさらのことである。大東の学生はもっと自信を持つべきだ。いい才能を持っている学生が何人もいることは,1期生・2期生の我がゼミ生を卒業させ,今や3期生・4期生を現役生として共に勉強していて分ることなのである。 これは私が卒業した大東文化大学で指導教員だった先生が学科の冊子に寄稿した文章に書いていたものだ。私が入学した1996年当時の雰囲気で