私たちがふだん、スマホやカーナビで現在地を知るために利用している衛星システムは、アメリカの全地球測位衛星システムGPS(衛星数24機に予備衛星などを含め30機前後)と、ロシアの衛星測位システムGlonass(衛星数24機)の2種類。私たちは常にそのうちの最低4機以上から衛星電波(測位信号)を受信することで、現在地を把握している。しかし、高層ビルや木が立ち並ぶ場所では、仰角(測位衛星を地上から見たときの角度)が低い位置にある衛星からの信号はさえぎられているも同然。これらが測位の精度を下げる大きな要因となっているのが現状だ。 準天頂衛星みちびきは、捉えにくい衛星をフォローするためにJAXAが2010年に打ち上げた衛星。日本のほぼ天頂(真上)を通る軌道をもち、GPS衛星が見えにくくても、高仰角から同じ種類の信号を発信するGPS補完機能によって今後、格段に捕捉精度が上がっていく予定だ(みちびきが常