旅の僧(ワキ)が宇治の里に通りかかると、一人の老人(前シテ)が現れる。僧は老人に案内を請い、二人は里の名所を見てまわる。最後に老人は僧を平等院に案内すると、源平合戦の古蹟を見せ、今日がその合戦の日に当たるのだと教える。老人は、合戦で自刃した源頼政の回向を僧に頼み、姿を消してしまう。実はこの老人こそ、頼政の幽霊であった。 僧が供養していると、頼政の幽霊(後シテ)が往時の姿で現れ、僧の弔いに感謝する。頼政は、合戦へと至った経緯を語り、宇治川の合戦の緊迫した戦場の様子を再現して見せる。やがて、自らの最期までを語り終えた頼政は、供養を願いつつ消えてゆくのだった。