前回で述べたように,XCAP以外にもサーバーのデータを書き換えるプロトコルはいくつか存在する。なぜ,これらのプロトコルではなく,わざわざ新プロトコルのXCAPが考えられたのだろうか。疑問に思うのが普通だろう。答えは,今のネットワークが求める仕様を過不足なく満たすプロトコルが他になかったからである。 最も普及したデータ操作プロトコルとして,HTTPを拡張したWebDAVがある。WebDAVは,サーバー上のファイルやフォルダを操作するためのプロトコルであり,サーバー上でのファイルコピーなどの機能を備えるものの,ファイル内部の部分的な参照や書き換えはできない。そもそもWebサーバー上のコンテンツ・ファイルの更新を目的として生まれたWebDAVは,ファイル内の一部の項目だけを参照したり変更したりする用途を想定していなかったのである。 一方,普及はしなかったものの,WebDAVより高機能なプロトコル