作戦記録画24点を「ひっそり」公開東京国立近代美術館で10月26日まで開催中の企画展「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」展は、アジア・太平洋戦争と美術の関係を扱った重要な展覧会だ。展示の中核をなすのは、戦後米軍が接収し1970年に日本に戻された「作戦記録画」。本展は、同館が所蔵する作戦記録画153点のうち24点を展示し、これは一度のまとまった公開点数として戦後最多規模となる(別会場の常設展でもさらに作品を展示)。借用作品や資料を織り交ぜ、報道や文学、軍歌、漫画など多分野が醸成した時代の「文脈」も提示しながら戦時・戦後の美術動向を浮き彫りにした本展は、戦後80年の節目にふさわしい直球の企画と言える。 いっぽう、本展レポートが指摘するように、あたかも「ひっそり」と開催するような広報体制に戸惑いの声が上がっている。チラシやポスター、カタログ、告知のリリースがなく、内覧会も
