「真実」は語られず、採決の強行は繰り返された。批判の先鋒(せんぽう)である野党への支持も広がらない。通常国会が22日、閉会した。現代日本社会は冷笑主義に陥っていないだろうか。 「記憶の限りでは、ない」「刑事訴追の恐れがある」 森友学園についての公文書改ざんや加計学園の獣医学部新設をめぐるいわゆる「モリカケ」疑惑の国会での追及に、国家権力の中枢にいる幹部らは証言を拒否し、記録を突きつけられても記憶を理由に発言が二転三転した。 安倍晋三首相の国会答弁も物議を醸した。昨年2月、森友学園の国有地売却問題に自身や妻の昭恵氏が関与していた場合、「総理大臣も国会議員も辞める」と断言。この発言の後に財務省の公文書の改ざんや廃棄があった。ところが安倍首相は今年5月、自身の発言についてこう釈明した。 「贈収賄では全くない。そういう文脈において一切関わっていない」 贈収賄という文脈を自分で加え、「関与」の意味を