地球温暖化防止で重要な点は、先進国の取り組みだけでは、世界全体の温室効果ガス(GHG)排出量を大幅に削減することが難しいということだ。そこで今回は、ベトナム家庭のエネルギー消費状況を取り上げ、成長著しい新興経済国のエネルギー事情を考えてみる。 まずベトナムの地理的な条件だが、東南アジアの中央、インドシナ半島に位置し、南北にS字状の国土を持つ国である。北は中国、西はカンボジアやラオスと接し、東と南は大海に面しており、東シナ海に浮かぶ島々と東南アジアの大陸をつなぐ重要な位置にある。 気候は、北部は亜熱帯性気候、南部は熱帯モンスーン気候に属し、海を臨む沿岸には世界的にも有名なリゾート地や美しいビーチが多く点在している。 人種はベトナム人(キン族)が90%、そのほかに中国人やタイ人、クメール人などで構成されている。ベトナム語が公用語だが、わずかではあるが中国語やクメール語なども使われている。仏教徒