夏がくれば溺れ出す、なんてろくでもない替え歌を歌いながら海の家で焼きそばをつくりつづけている。若者はいいなぁ、特権だね、水はじくね、ウォータープルーフだね、とぼやいている僕にさとり世代に属するバイト君が「課長。いやユニットリーダーにも若者の時はあったはずですよね」と言ってきた。 役職をわざわざ蔑称に言い換えるところが憎々しいが我慢して話を促すと彼は「課長、いやユニットリーダーが若い頃はバブル期で盛り上がっていたじゃないですか」と決めつけ、その後は僕らの時代は厳しい云々とつまらないことを言い続けている。お部屋。自転車。食べ物。恋人。何でもシェアしているうちに脳も分割してしまったのだろう。想像力に欠けている。アラフォーイコールバブル。それは僕の業でもある。バブル世代という誤解、僕はそんな十字架を背負って生きている。 僕はバブルの恩恵を受けていない。まったくだ。むしろ鼻先にバブルという人参をぶら