多摩動物公園の新キリン舎で17頭の新生活が始まりました。言葉にすると簡単ですが、ここに至るまでには、57日間にわたるキリンと飼育係の知恵くらべと我慢の日々がありました。これはキリン17頭と飼育係4名がすごしたこの夏のはなしです。 多くの動物は日常と違う環境に慣れるのに時間がかかります。キリンには新居が「安心して休息でき、美味しいえさが食べられる場所」ということを認識し慣れてもらうために、これまで使用していたキリン舎(以下「旧キリン舎」)と新キリン舎を併用し、時間をかけて引っ越しを進めました。しかし、17頭でいつもいっしょに行動しているキリンの群れは、そう簡単にこちらの思うとおりに動いてくれません。 始まりは7月27日。新キリン舎のパドック(コンクリートの運動場)に枝葉を準備すると、若いキリン数頭が床の感触を確かめるようにゆっくり踏みしめながら入ってきました。少しでも音がすると「ギクッ!」と
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