『世界』3月号の中で本田由紀さんの文章を最初に読みました。ここでは長時間労働=働き過ぎの問題をとり上げていますが、面白いのは会社の圧力や職場とのしがらみを原因とする働き過ぎではなく、”自己実現系ワーカホリック”に焦点を当てているところ。自分の好きなことを仕事にし、仕事にのめり込んでいく若者たちは、働き過ぎではあっても充実しているし幸福であるかのように見える。しかし実際は経営者側が仕事の中に仕掛けたゲーム性・カルト性・奉仕性などのからくりによって、若者たちは巧妙にワーカホリックへと動かされていく、これは”やりがいの搾取”だと著者は言う。 労働・雇用問題の特集だからこのような視点で書かれているけど、”自己実現系ワーカホリック”を心理学的な視点-仕事依存-から読み解くとまた違った問題になると思いました。あらゆる依存対象の中で仕事は最も自覚を持ちにくい対象だと思います。自己実現し他から評価され、の