ブックマーク / www.msz.co.jp (33)

  • 大適応の始めかた | 気候危機のもうひとつの争点 | みすず書房

    気候変動対策には、「緩和」(温室効果ガス排出量削減)のほかに、もうひとつ大きな柱があるのをご存じだろうか。「適応」(気候変動に対応すべく、種々のインフラや営みを改変すること)である。身近なコミュニティでも、気候変動に備えた防災や作物の転換などの取り組みを「適応」の認識で結びあうことで、ノウハウを共有したりエンパワーしたりすることができる。書は適応、気候の公正性、自治の3つをつなぐ格好の入門書だ。 CO2排出量削減だけでは、たとえ現時点での最良のシナリオが実現しても、気候危機が回避できるわけではない。つまり適応は不可避だが、問題はそのやりかたであり、良い方法と悪い方法(誤適応 mal-adaptation)について社会的に議論することが急務である。社会格差を拡大したり、気候変動緩和を妨げたりする誤適応を避け、公正な適応を進めるためには、私たち市民のリテラシーと意識、そして参加が不可欠なのだ

  • 国際法以後 | みすず書房

    ロシアウクライナ侵略、イスラエルによるパレスチナ占領、自治区ガザへの大規模攻撃。世界は国際法が堂々と破られるさまを見続けてきた。国際法はなぜこれほど無力なのだろう。しかし、国際法の実効性が脆弱なことは以前から明白であったし、そもそも国際法と呼ばれるものの中味も統一的ではない。にもかかわらず、そうした問題が真摯に議論されることはあまりなかった。書が国際法を「奇妙な法」と呼び、国際法学を「奇妙な学問」と呼ぶのはそのためである。 とはいえ、国際法学の内部で国際法の批判的検討が皆無だったわけではない。それはマルティ・コスケニエミ、アンソニー・カーティ、ロザリン・ヒギンズ、デイヴィッド・ケネディらによって担われてきた。書では、こうした研究者の議論を整理・検討し、その成果を糧とすることで、既存の国際法の〈後〉に来るべきものについて、筆者独自の展望を切り拓いている。 実効性なき国際法の構造的問題は

  • 「まちライブラリー」の研究 | 「個」が主役になれる社会的資本づくり | みすず書房

    を核にや人との出会いを目指す活動であれば、まちライブラリー〉というおおらかな考えのもとで著者が提唱し、個々の人の参画・運営によって全国に千ヶ所以上形成されてきた「まちライブラリー」。始まりから12年、まちライブラリーはどのように広がってきたのか。運営者・利用者へのアンケート、関係者へのヒアリングから分析、考察する。 そこから浮かび上がってくるのは、「自生的」「社会的連坦」「日常」「主観」「自由」といった言葉で語ることのできる、人と人とのゆるやかなつながりだ。 地域の場づくりやコミュニティ形成をうながし、そこに関わる個々の人がやりがいやいきがいを感じる活動の鍵を明らかにする、小さくも示唆に富んだ一冊。 〈まちの生活は特定の日だけが充実していれば良いわけではない。日々の生活の中にあるちょっとした発見や憩いの重要性を考えると、日常性というものが何よりも大切であるということではないだろうか。

  • ミミズの農業改革 | みすず書房

    地面の下で、無数の土壌生物が蠢いている。土は、彼らの活動の痕跡が幾重にも刻み込まれることで維持されている複雑な構造物だ。もし土壌生態系が失われれば、土もただの砂に戻っていき、やがて失われてしまうだろう。 なかでもミミズは、土壌生態系において「生態系改変者」に位置付けられ、その生態系にいるかいないかで風景を一変させてしまうほどの影響力を持つ。落ち葉と土を旺盛にべ、糞は団粒に、トンネルは排水路になる。その痕跡は長く土に残り、土壌生物や植物に恩恵をもたらしている。 土壌生態系は長い間土を維持してきた。しかし、人が農耕によって土に介入し始めると土壌劣化が始まった。20世紀以降は特に急速に劣化が進んでいる。著者曰く、その原因は農薬だけでなく、農業の基とされる耕耘にもあるという。土壌生態系を維持するには、耕してはいけないのだ。 では、耕さない農業は可能なのだろうか。著者は、自身の実験農場で「不耕起

    ミミズの農業改革 | みすず書房
  • 通訳者と戦争犯罪 | みすず書房

    通訳者は通常、原発話の内容やその結果とは無関係であるとされ、それを目標言語で忠実に伝達することについて法的責任を問われることはない。また、職務倫理においても公平性と中立性が要求され、業務上知り得た事柄については守秘義務が生じる。しかしこうした平時の規範は、戦争や紛争のような暴力を伴う敵対状況下の通訳にも通用するのだろうか? 書は、実際に通訳者が戦争犯罪に関与したとして訴追され、有罪判決を受けた歴史的事例としてアジア太平洋戦争後の英国による対日BC級戦犯裁判を参照し、そこから今日の通訳者の責任と倫理を論じるものである。第I部では、通訳被告人(台湾人、占領地市民、日系二世を含む)の動員経緯や業務内容、裁判中の供述、抗弁、判決等を詳述し、通訳者がどのようにして罪に問われたのかを精査する。同時に、同裁判で通訳者が業務中に目撃した雇用主(日軍)の行為について証言を行ったことにも着目する。第II部

    通訳者と戦争犯罪 | みすず書房
  • 台湾、あるいは孤立無援の島の思想 | 民主主義とナショナリズムのディレンマを越えて | みすず書房

    台湾は近代以降、清、日中華民国、アメリカという複数の帝国による連続的な支配を受け、またその複雑な民族構造のために統一的なナショナリズムや共通の歴史認識の形成を阻まれてきた。台湾の主体化を達成すべく、人々は歴史を紐解き、過去の国家暴力や不正義をただして内部的な分断を乗り越えることを通じて民主化を推し進め、生存空間を共にする者たちの同盟としての「台湾民族」と、多元・民主・平等に基づいて同盟を強化するためのイデオロギーとしての「台湾ナショナリズム」を志向した。しかしそうした内部的な努力にもかかわらず、国際社会においては、主権国家体制からの排除や、新興の中国を含む諸帝国の狭間にあるという地政学的構造に起因する現実政治の桎梏を自力で克服することはできず、その命運はいまなお強権によって掌握されている。 台湾の市民社会はそうした賤民(パーリア)的境遇を自覚的に引き受け、新たな帝国と資主義による支配

    台湾、あるいは孤立無援の島の思想 | 民主主義とナショナリズムのディレンマを越えて | みすず書房
  • なぜならそれは言葉にできるから | 証言することと正義について | みすず書房

    社会・教育・メディアジェンダー・フェミニズム社会ノンフィクション 紀伊國屋書店ウェブストア Amazon.co.jp オンライン書店e-hon セブンネットショッピング 楽天ブックス Yodobashi.com 紀伊國屋書店Kinoppy honto電子書籍ストア 電子書籍ストアBookLive! Amazon Kindleストア 電子ブック楽天kobo Apple iBooks Storeで購入 eBookJapanで購入 SONY Readers Store 暴力をうけた人は、それを話すことができるだろうか。周囲の人はそれを聞くことができるだろうか。 暴力は、日常の「こうであるはずだ」という約束を壊す。世界で生きていく前提が崩れてしまうのだ。だから、何が起こったのかを認識するのにとても時間がかかる。その話を聞いた人も、言われたことを即座に理解することはできない。 けれども、暴力は世界中

    なぜならそれは言葉にできるから | 証言することと正義について | みすず書房
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2020/02/28
    『なぜならそれは言葉にできるから 証言することと正義について』
  • 精神医療、脱施設化の起源 | 英国の精神科医と専門職としての発展1890-1930 | みすず書房

    20世紀を通じて世界各国は、入院型の精神病院を中心としたものから外来設備を核とし地域に根ざした精神医療、すなわちコミュニティ・ケアへと、医療サービスの形態を変化させてきた。これは精神医療の脱施設化と呼ばれる現象であるが、英国では19世紀末から始まっていた。 1890年、イングランドでは狂気法と呼ばれる法律が成立した。この法律は、精神疾患を患っていない人々が強制的に精神病院へと監禁された事件を背景とし、患者の人権擁護を目指したものだった。 しかしイングランドの精神科医たちは、狂気法の非人道性や治療上の非効率性などを指摘して、この人道主義的な法律に一様に抵抗を示した。そして彼らは、精神疾患の予防と早期の治療を御旗とし、入院型の精神病院によらない新たな精神医療の形態、脱施設化された精神医療を提案していった。なぜ、精神科医たちは1890年狂気法に反対し、脱施設化された精神医療の必要性を訴えたのか。

    精神医療、脱施設化の起源 | 英国の精神科医と専門職としての発展1890-1930 | みすず書房
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2020/01/19
    『精神医療、脱施設化の起源 英国の精神科医と専門職としての発展1890-1930』
  • 沖縄 憲法なき戦後 | 講和条約三条と日本の安全保障 | みすず書房

    土」の安全は、歴史的に沖縄の犠牲のうえに成り立ってきた。しかし今や、沖縄で抗議の声があがると、土の一部からはヘイトの罵声まで飛ぶほど、沖縄の戦後史についての無知と無視は深まっている。 東アジアの緊張が高まるなかで、米軍は沖縄の陸、海、空を、わが者顔で動きまわっている。沖縄が「基地の島」になったのは、戦後、日米両国の思惑によって「無憲法の島」に追いやられたからだとすれば、わたしたちは今、土の視点から、沖縄の現状をどう捉えなおすべきか。 憲法と外交史の専門家が協力し、これまで検証されなかった膨大な国会議事録や行政文書、外交文書を渉猟して、この「軍事植民地」が生み出された経緯と、日米両国がそれぞれ依拠してきた論理を解き明かす。 終章では、米中の狭間で翻弄される東アジアの国々が、沖縄を軸に、軍縮にむけた提携関係を構築するという新たな見取り図を提示した。 はしがき 第一章 国籍を奪われた沖縄

    沖縄 憲法なき戦後 | 講和条約三条と日本の安全保障 | みすず書房
  • 法に触れた少年の未来のために | みすず書房

    少年犯罪は増加も凶悪化も低年齢化もしておらず、減少しているのに、社会の不安感を背景に厳罰化が進んでいる。「少年法」改正がくり返され、いまや少年司法が福祉国家から刑罰国家への転換を牽引している。 非行少年を社会から排除するのでなく包摂するなかで、「人間の尊厳」の回復に努めるにはどうしたらよいか。少年たちをとり巻く状況を分析し、当事者と専門家と市民を三柱にして、福祉・教育・医療・司法が人権を軸に連携する支援体制の構築を考える。 犯罪はもっぱら個人的、あるいは心理的な特殊な事象であるとされ、自己責任による安心・安全の確保が標榜されている。だが、非行にまつわる少年の困難や生きづらさが解決されることで再犯が防止され、社会の安全が保持されると考え、個別支援を充実させる道はないのか。更生は社会とのつながりの回復でもある。 「法に触れた少年」が映し出すのは、普通の子どもたちとその日常が崩壊し始めている姿

    法に触れた少年の未来のために | みすず書房
  • 近刊情報 | みすず書房

    また、WEB「みすず」で公開を終了した以下の連載は、刊行予定を近日お知らせします。 松下安武執筆・野村泰紀監修「並行宇宙は実在するか」(2023年10月-2024年9月)

    近刊情報 | みすず書房
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2018/07/14
    『生存する意識 「植物状態」の患者と対話する』という近刊が気になる。翻訳本。
  • コミュニティ通訳【新装版】 | 多文化共生社会のコミュニケーション | みすず書房

    〈内なる国際化〉が進む現代日の病院や薬局で・警察や裁判で・役所の窓口や学校で。現場は日常どのような事態にあり、そこで何ができるのか。 医療通訳・司法通訳・行政通訳を3の柱に、手話通訳、難民認定に関わる通訳、服薬指導やDV相談、災害時など有事のさいの通訳にも周到に目配り。全体像を建設的に提示する初の概論。 超音波検査で「はっきりとはわからないが女の子」と言われた妊婦さん。はっきりとは、の部分をしっかり訳せなかったために、一家は赤ちゃん用品を全部女の子用で揃えてしまった……放火事件の裁判員裁判で、被告人の母語の通訳人はいないので英語で通訳する。ガラスの割れるガチャンやバリンはさてどう訳す……市役所の相談窓口に受付終了まぎわにやってきた女性は、なかなか口を開かない。生活保護を受けたいのだとやっとのことで聞き出して、閉まりかかった庁舎の担当課へ同行する…… 2012年の住民基台帳法改正で、外

    コミュニティ通訳【新装版】 | 多文化共生社会のコミュニケーション | みすず書房
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2018/07/14
    新装版。一部 ためしよみできる。
  • 憎しみに抗って | 不純なものへの賛歌 | みすず書房

    社会・教育・メディアジェンダー・フェミニズム社会ノンフィクション 紀伊國屋書店ウェブストア Amazon.co.jp オンライン書店e-hon セブンネットショッピング 楽天ブックス Yodobashi.com 紀伊國屋書店Kinoppy honto電子書籍ストア 電子書籍ストアBookLive! Amazon Kindleストア 電子ブック楽天kobo Apple iBooks Storeで購入 eBookJapanで購入 SONY Readers Store 人種主義、ファナティズム、民主主義への敵意——ますます分極化する社会で、集団的な憎しみが高まっている。なぜ憎しみを公然と言うことが、普通のことになったのだろう。 多くの難民を受け入れてきたドイツでも、それは例外ではない。2016年には、難民の乗ったバスを群集が取り囲んで罵声を浴びせ、立ち往生させる事件が起こった。それまでのドイツ

    憎しみに抗って | 不純なものへの賛歌 | みすず書房
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2018/04/14
    『憎しみに抗って 不純なものへの賛歌』
  • 情報リテラシーのための図書館 | 日本の教育制度と図書館の改革 | みすず書房

    書執筆の当初のモチーフは、書物自体は一貫して重要視されていた日で、社会機関としての図書館の評価が低かったのはなぜなのかということにあった。私は書いているうちに、これは単なる図書館論にとどまらず、書物論、情報論、文化論、そして何よりも教育論にひろがっていかざるをえないと考えるようになった。図書館の存在が意識されにくかった理由は、日社会が個人の知的活動を自律的に行うことを妨げてきた理由と同じだということに気づいたからである。」 図書館情報学において、「情報リテラシー」は、テクノロジーの発達に応じてその習得・活用・提供技術の更新が求められる、生きたテーマである。 情報が氾濫する社会を生きる私たちにとって、第一次資料の保存庫であり、公共の情報サービス機関である図書館は、信頼の置ける、身近な情報拠点だ。これからの図書館は、図書の貸出し、検索技術の提供にとどまらず、利用者の情報リテラシーを導く

    情報リテラシーのための図書館 | 日本の教育制度と図書館の改革 | みすず書房
  • 日本の長い戦後 | 敗戦の記憶・トラウマはどう語り継がれているか | みすず書房

    憲法改正、領土問題、歴史認識問題はなぜ、こんなにも軋轢を招くのか。アメリカで教える気鋭の社会学者が比較文化の視点から、日の「敗戦の文化」を考察する。 私たちが家族、学校、メディアをとおして触れる戦時の物語は多様だ——戦場で英雄だった祖父、加害の体験を話さずに逝った父、トラウマを解消できない被害者たち。それらの記憶は、史実に照らして見直されることなく共存し、家族内では、調和が最優先される語りが主観的に選び取られる。 高校の歴史教科書・歴史漫画の分析からは、なぜ若い世代が自国に自信をもてないか、その理由が見えてくる。 そしてメディアは、記憶に政治色をつけながら、それぞれ違う物語を映し出す。 戦後70年を過ぎた今、不透明な過去に光を当て、問題の核心に迫る。 日の読者のみなさまへ 謝辞 第1章 敗戦の傷跡と文化的記憶 文化的トラウマ、記憶、国民アイデンティティ 戦争の記憶をめぐる三つの道徳観と

    日本の長い戦後 | 敗戦の記憶・トラウマはどう語り継がれているか | みすず書房
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2017/12/22
    『日本の長い戦後 敗戦の記憶・トラウマはどう語り継がれているか』
  • 治安維持法の教訓 | 権利運動の制限と憲法改正 | みすず書房

    治安維持法は大正14(1925)年に制定され、昭和3年と16年の改正をへて猛威をふるった。書は歴史研究による刑法学の第一人者が、帝国議会の審議から制定の過程を、大審院の判例から運用の過程を読み解くことで、時勢と共に変容した国民統制のメカニズムを解明する。 大正デモクラシーの風を受け、国会議員には弁護士など法曹出身者や、大衆に支持された無産政党の指導者も多く、治安維持法の審議では迫真の討論が行われた。「国民が萎縮する」「濫用の危険性はないか」「世界の潮流から後れる」「学問の自由を制限しないか」。多くの懸念が表明され、やがて現実となった。 《京都学連事件》《川崎武装メーデー事件》《司法官赤化事件》《唯物論研究会事件》。法廷ではどんな法理論を用いて「目的のためにする行為」「支援結社」などを拡大解釈して無数の有罪判決を導いたのか。被告・弁護士・裁判官・大審院長・思想検事の言葉からは、「専制と暴力

    治安維持法の教訓 | 権利運動の制限と憲法改正 | みすず書房
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2017/05/20
    『治安維持法の教訓 権利運動の制限と憲法改正』
  • 一枚の切符 | あるハンセン病者のいのちの綴り方 | みすず書房

    ハンセン病患者の強制収容、隔離、撲滅政策が始まって百年。「国家によって、生きる価値がないとされた者がなぜ無理して生きているかと問われれば、そこに抵抗があるからだ」。「いま、百年の間、いえなかったことをいいのこしておかねばならない」 太平洋戦争直前に瀬戸内海の国立療養所邑久(おく)光明園に収容され、いまもそこで暮らす在日韓国人二世の魂と生活の記録。 収容時に歩かされたのは消毒液まみれの黒い道だったが、譲られた「一枚の切符」で家に帰りながらまた療養所に戻ったのは自ら選んだ道だった。この切符をともしびとして暗闇を生きぬき、書きつづけてきた癩(らい)の語り部が、視力を失ったいまもなお、瀬戸内海の孤島から現代社会へと投げかける人生の光芒。 国民年金からの排除、隔離法廷、指紋押なつ、胎児標問題などで独自の立場をつらぬき、病と民族による二重の差別と闘ってきた記録であると同時に、療養所の歴史的な実態と生

    一枚の切符 | あるハンセン病者のいのちの綴り方 | みすず書房
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2017/05/12
    『一枚の切符 あるハンセン病者のいのちの綴り方』“識字学級 アジュモニたちの日本語”
  • 刑法と戦争 | 戦時治安法制のつくり方 | みすず書房

    今の状況は昭和3(1928)年に似ている。この年、議会制の下で「治安維持法」が改正され、以後、猛威をふるった。3年後に満州事変が勃発、「法の支配」が換骨奪胎され、日戦争に突き進んだ。 治安維持法によって、最初は無政府主義者と共産党員、次に労働組合・農民運動と宗教者、やがて反戦主義・民主主義・自由主義者まで処罰された。「普通の人々」の「普段の生活」が取締りの対象になった。 刑法学者である著者は「歴史的なものの理論化」という法学の方法論によって、治安刑法の論理と運用に切り込んでいく。戦時体制をつくるためには、軍法のほかに、戦時治安法・秘密保護法・国家総動員法等が必要になる。現在の日が平時の治安政策から戦時の治安政策へと変化しているさまは、まるで戦前に学んだ設計図が存在するかのようだ。 第二次世界大戦時の残虐非道な行為の多くは、法令に基づいて行われた。「量の民主主義」(多数決)は「悪法」を

    刑法と戦争 | 戦時治安法制のつくり方 | みすず書房
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2016/05/28
    『刑法と戦争 戦時治安法制のつくり方』
  • 動くものはすべて殺せ【新装版】 | アメリカ兵はベトナムで何をしたか | みすず書房

    「民間人を殺害し、森の空き地や田んぼの排水路に死体の山を築いていたのは地上部隊だけではなかったのだ。ヘリコプターが襲いかかった村では、数え切れないほど多くの人が恐怖に駆られて走りだし、結局はM60機関銃の掃射に切り裂かれて命を落とした。ミライ事件をはるかにしのぐ大規模殺戮では、通例、重火器が用いられ、事務的に淡々と死体が量産されていった。(…) それがこの戦争質であり、ベトナムをテーマとする数万冊の書籍にほとんど描かれてこなかった真の姿なのだ」 4時間で500人以上の村人を虐殺したミライ(ソンミ村)事件は逸脱ではなかった。“動く者はすべて殺せ”という命令の下になされた軍事作戦の一部だったのだ。 国立公文書館資料の粘り強い調査や、事件にかかわった帰還兵や内部告発者、さらにベトナム人生存者へのインタビューによって、米軍と政府の施策がどれだけ多くの無辜の住民を殺し傷つけたか、そして軍司令部と

    動くものはすべて殺せ【新装版】 | アメリカ兵はベトナムで何をしたか | みすず書房
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2016/03/24
    『動くものはすべて殺せ アメリカ兵はベトナムで何をしたか』
  • 手話を生きる | 少数言語が多数派日本語と出会うところで | みすず書房

    手話という少数言語。手話が存在することによって、聞こえない子——ろう児は、ろう児として、そのままの自分で、聞こえる子とおなじように学び、遊び、よろこび、悲しみ、育つことができる。日語と対等の力をもつ手話という言語があるから、聞こえないことは障害ではなく、むしろ少数派なのだといえる。 日のろう者・ろう児の母語である「日手話」で授業を行い、手話と日語のバイリンガル/バイカルチュラルろう教育を実践する日初にして唯一の学校、明晴学園。著者はジャーナリストとして前進であるフリースクールの立ち上げから関わり、のちには明晴学園の内側に身をおいて日手話と日語、ひろく言語の世界に思いを向けつづけてきた。 ろう教育歴史、手話という言語が乗り越えてきた、そして今も向き合っている困難、言語学からみる手話、人工内耳など近年の最新動向……ろう者・ろう児とその親、教育者、日手話の話者・通訳者、手話言語

    手話を生きる | 少数言語が多数派日本語と出会うところで | みすず書房
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2016/02/21
    『手話を生きる 少数言語が多数派日本語と出会うところで』