序章 問題の所在と本研究の方法 一 問題の所在 1 明治三〇年生まれと書物の関わり/2 図書館の歴史の中での位置づけ/ 3 『資本論』の読書史の中での位置づけ/4 現代の中の過去と過去の中の現代 二 先行研究の知見 1 先行研究の方法と知見Ⅰ――図書館史/2 先行研究の方法と知見Ⅱ――読書史 三 本研究の視座 四 本書の構成 第一部 読書装置の黎明 第一章 明治民権運動における声と活字と書籍館 ――集会条例による政治/学術の区分の発生とその内外領域 一 書物を読むこと・集めること・語ること 二 集会条例施行以前の演説 三 集会条例の施行と「政談/学術」という区分の芽生え 四 政談演説の回避としての懇親会と学術演説 五 政談としての新聞解話会 六 非政治空間としての学校の成立 七 教育令に依らない教育=文化の場と書籍館 八 問題化しない存在としての書物 第二章 明治後期の巡回文庫と地域組織―