自民党の退潮が著しい。 確かに総選挙では惨敗を喫した。だが、党自体が解党したわけでも、消滅したわけでもない。にもかかわらず、党所属の議員には、すべてが終わったかのような絶望感が漂っている。 その理由は、特別国会での首相指名選挙で白紙投票を呼びかける声が広がったからだ。自民党は、麻生総裁ではなく、何も書かずに投票しようとしていたのである。 もはやそこには政権与党であった矜持など存在しない。総選挙での敗北の総括を回避し、党再生の第一歩である、自らの党の顔を選ぶ権利すら放棄したのである。本当にそれで再生を望んでいたのだろうか。 投票日前、麻生首相は「負けっぷりのよさも大切だ」と話していた。だが、結局は都合の悪いことには目を瞑っていた。 「白票で臨むのは、衆議院議員として、国民のみなさまに対する大事な仕事を放棄しているということになります」 石破茂氏は繰り返しこう述べて、白紙投票に反対