ITベンダーなら当然だと思うが、よほど「戦略的な狙い」か「渡世の義理」でもなければ、危ない客のシステム開発案件を取りにいかない。危ない客はどれもとてもよく似ている。ざっと説明すると次の通りだ。 システムの保守運用を既存のITベンダーに丸投げした結果、客の「中の人」は誰も自分たちの業務プロセスやシステムの中身(プログラムコード)をほとんど分からなくなる。しかもIT部門の地位が恐ろしく低く、わがままな利用部門を仕切れないため、プロジェクトの期間中に仕様変更につながりかねない理不尽な要求が次々と押し寄せてくる。 もっと危ないのはこれからだ。こんな危ない客だと、当然のようにプロジェクトは大炎上する。しかも危ない客の本領発揮で、炎上した全責任をITベンダーに押しつけようとする。本当は発注者としての強い立場を利用して、当初の要件にはなかった機能追加などの無理難題を要求したことによる必然的結末であるにも