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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (6)

  • 航空事故とフォーク定理 - himaginary’s diary

    今回の羽田の航空事故を巡り、事故の刑事責任の追及が自動車事故などに比べて緩やかなのはやはり納得できない、という声と、今後の安全性のためにはそれが当然、という現在の慣行を支持する主張が改めて持ち上がり、議論になっている。現在の慣行については、その日米比較を行ったこちらの服部健吾氏の論文が参照されることが多いようだが、同論文では現在の慣行を支持する論拠として、「萎縮効果(chilling effect)」が一つのキーワードになっている*1。そこで「chilling effect accident criminalize」で検索を掛けてみたところ、Flight Safety Foundation*2のPresident兼CEOのHassan Shahidiが2019年5月17日に書いた「Criminalizing Accidents and Incidents Threatens Aviatio

    航空事故とフォーク定理 - himaginary’s diary
  • 銃の増加による予期せぬ結果の増加:米国の都市において銃携帯の権利が犯罪的行動と警察行動に与える影響 - himaginary’s diary

    というNBER論文が上がっている。原題は「More Guns, More Unintended Consequences: The Effects of Right-to-Carry on Criminal Behavior and Policing in US Cities」で、著者はJohn J. Donohue(スタンフォード大)、Samuel V. Cai(同)、Matthew V. Bondy(同)、Philip J. Cook(デューク大)。 以下はその要旨。 We analyze a sample of 47 major US cities to illuminate the mechanisms that lead Right-to-Carry concealed handgun laws to increase crime. The altered behavior of

    銃の増加による予期せぬ結果の増加:米国の都市において銃携帯の権利が犯罪的行動と警察行動に与える影響 - himaginary’s diary
  • バングラデシュのマスク研究から何を結論すべきか?・再訪 - himaginary’s diary

    以前、バングラデシュでのマスク着用に関するRCTについて、Ben Rechtによる批判的な検証を取り上げたことがあった。その後、研究者がデータを公開したとのことで、Rechtが公開自体は賞賛しつつも改めてそのデータを批判的に検証している(H/T タイラー・コーエン)。以下はその概要。 公開されたデータは: 対照群(nC):300村の163,861人、陽性者数(iC)=1,106人 処置群(nT):300村の178,322人、陽性者数(iT)=1,086人 この結果には、以下のような問題点がある: 34万人以上を8週間検証して差はわずか20人。 マスクでは盲検は不可能なので、当然ながら盲検ではない。 処置群では、マスク促進以外に、社会的距離などの他の措置に関する教育も行われた。 研究者による検査に同意して研究対象となった人の比率は、処置群が95%、対照群が92%。この差だけで観測された差を拭

    バングラデシュのマスク研究から何を結論すべきか?・再訪 - himaginary’s diary
  • 将来世代はグレタ・トゥーンベリを許さない? - himaginary’s diary

    ふと、かつて温暖化対策の行き過ぎを諌めたビョルン・ロンボルグはグレタ・トゥーンベリについて何か言っているのかな、とぐぐってみたところ、9月末にこのような論説を書いていることを知った。以下はその概要。 人間が気候変動の科学を理解して行動しないことは「悪」であり、気候変動によって「人が死んで」おり、あと8年余りで炭素の排出余地は尽きてしまうため、2028年までに化石燃料で動くものをすべて閉鎖すべし、というグレタ・トゥーンベリの国連演説は、良く見られる主張であるが、根的に間違っている。確かに気候変動は人為的な原因で現実に生じているが、気候変動で世界が終わるという彼女の見方は根拠が無い。IPCCによれば、2070年までの気候変動の影響は、生態系への影響も含めても、平均所得の0.2-2%の減少に相当する。その時までに、地球上の各人の所得は300-500%向上している。 1世紀前の生活はつらいものだ

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  • ヴァイトマン「金融危機は人災です!経済学者みんなで責任回避する経済学・入門」 - himaginary’s diary

    以前、経済危機を地震に喩えたMark Thomaのブログエントリを紹介したことがあったが、イェンス・ヴァイトマン・ドイツ連銀総裁が、「危機の経済学――経済学者への挑戦としての危機(Crisis economics – the crisis as a challenge for economists)」と題したミュンヘンでの講演で、ラクイラ地震の一件に触れつつ、そうした見方に異を唱えている(Mostly Economics経由)。 以下はそこからの引用。 On 6 April 2009, a severe earthquake occurred in the central Italian town of L’Aquila with the tragic loss of more than 300 lives. Only six days earlier, there had been a

    ヴァイトマン「金融危機は人災です!経済学者みんなで責任回避する経済学・入門」 - himaginary’s diary
  • 第一種過誤を恐れる物理学者、第二種過誤を恐れる経済学者 - himaginary’s diary

    CERNが光速を超えるニュートリノを観測したという今話題の発見に事寄せて、Econospeakでピーター・ドーマンが経済学者と物理学者の統計的過誤への態度の違いについて論じている。 以下はその概要。 今回のOpera(Oscillation Project with Emulsion-Tracking Apparatus)チームの発見について、プロジェクトに関わっていたメンバーの中には自分の名前を出さないように要請した者もいたという。 その理由は、これだけ常識を覆す発見だと、誤りである可能性もまた大きいからである。測定誤差が12メートルあれば、結果は引っ繰り返る。 後に誤りと判明した発見に自分の名を連ねた物理学者は、経歴に回復不能に近い傷を負う。以前説明したように、自然科学者は第一種過誤(偽陽性)を非常に深刻に受け止めるのだ。反面、第二種過誤(偽陰性)はそれほど問題にならない。 一方、経済

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