総務省は固定ブロードバンドサービスの品質測定手法に関する報告書とガイドラインをまとめ、近く公表する見通しである。インターネット接続事業者が自社サービスの品質を測定し、ホームページなどで公表することを想定する。強制ではなく、あくまで事業者の自主的な取り組みに期待したものになる。このため、「測定に参加する事業者はほとんどいないのではないか」(業界関係者)との声が出ている。 「妥協に妥協を重ねた結果」 固定ブロードバンドサービスを巡っては「通信速度が遅い」「特定の時間帯につながりにくい」などの苦情・相談が尽きない。総務省によると光回線(FTTH)サービスに関する苦情・相談のうち、品質関連は2022年度で16.0%に達する。事業者が通信品質の測定結果を公表することは消費者にとって有益などとして、2020年12月から品質測定手法に関する議論が始まった。 参考となるモデルは既にあった。総務省が2015