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  • 『海帝 1,2巻』(星野之宣・作)感想~鄭和の南海大遠征を描く海洋冒険大作 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    『海帝』は2018年7月より「ビックコミック」(小学館)誌上で連載されている、十五世紀初頭、大船団を率いて東南アジアから南インド、さらにはアフリカ東岸にまで至る航海を行った鄭和を主人公にした海洋冒険漫画です。作者は「ヤマタイカ」「宗像教授伝奇考」などで知られる漫画家・星野之宣。2019年3月現在、コミックスが第二巻まで発売されています。 歴史上「鄭和の南海遠征」として知られる事件は明の第三代皇帝永楽帝の命によって宦官・鄭和が1405年から1433年まで七回に渡って大船団を率いて東南アジアからインド洋、ペルシア湾までの沿岸諸国を訪れて服属を求め、朝貢貿易を促進したもので、十六世紀・大航海時代の約百年前、先駆的な業績として知られています。 主人公とされる鄭和は謎の多い人物です。宮崎正勝著「鄭和の南海大遠征 永楽帝の世界秩序再編(中公新書)」によると、1371年、雲南の昆陽に住むモンゴル系イスラ

    『海帝 1,2巻』(星野之宣・作)感想~鄭和の南海大遠征を描く海洋冒険大作 | Call of History ー歴史の呼び声ー
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    hobbling 2019/04/01
    連載では猿神が出てきましたが、これって斉天大聖orハヌマーンかな?/宗像教授が妖怪ハンターオマージュなら、こっちは西遊妖猿伝オマージュですね
  • 串刺公ヴラド3世の生涯を描く『ヴラド・ドラクラ(1、2巻)』感想 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    『ヴラド・ドラクラ』(大窪晶与作、ハルタ連載)は吸血鬼・ドラキュラ伯爵のモデルの一人にして「串刺し公」の異名で知られる、最近ではFateシリーズでもお馴染みのワラキア公ヴラド3世(1431~1476年、在位1448,1456~62,1476~77)を主人公にした大河歴史漫画です。2019年2月15日に最新第二巻が発売されました。 残虐の暴君か、国を護りし英雄か――。 15世紀中期。南にヨーロッパを席巻するオスマン帝国、西に大国ハンガリー。 ふたつの強国に挟まれた小国・ワラキア(現・南ルーマニア)にひとりの若き公が戴冠する。 その名は、ヴラド三世。 国内政治は貴族に支配され、外交は大国の情勢に左右される中、 ヴラドは故国・ワラキアを護るため、そ... ヴラド・ドラクラのあらすじと魅力物語の始まりは1456年9月。1453年にコンスタンティノープルを陥落させて勢力を拡大するオスマン帝国と、神聖

    串刺公ヴラド3世の生涯を描く『ヴラド・ドラクラ(1、2巻)』感想 | Call of History ー歴史の呼び声ー
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    hobbling 2019/02/21
    かなり骨太な歴史物。吸血鬼とかは出てこない。
  • 「幕末外交と開国」加藤 祐三 著

    黒船来航から日米和親条約に至るプロセスを「(1)無能な幕府が(2)強大なアメリカの軍事的圧力に屈し、(3)極端な不平等条約を結んだ」(P257)と理解する見方が強まったのは明治十年以降だという。明治政府は一連の条約改正を政治課題に掲げて前政権である幕府の無能無策を強く主張するキャンペーンを張り、これが通説として長く信じられるようになった。しかし、史料を丹念に追うと、このような幕府無能説、軍事的圧力説、日米和親条約の不平等条約説はどうにも当てはまらない。では黒船来航はどのような過程をたどったのかをコンパクトかつ丁寧に解説したのが書である。 まず、黒船来航は幕府にとって青天の霹靂、であったとはとても言えない。前々から幕府は周到な準備を行っていた。まず、前提としてアヘン戦争を契機に海軍をもたないことから諸外国より劣勢にあるという認識の下で、外国船に対し強硬に武力で追い払うとしていた文政令(18

    「幕末外交と開国」加藤 祐三 著
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    hobbling 2015/06/18
    幕末の幕府を見ると優秀な人はいっぱいいたけど、それを重要なポストに付かせるシステムは非常に乏しかった。外交部門はマシだが軍事部門は酷い。長州征伐・鳥羽伏見の戦いの幕府上層部は無能の見本市だよ。
  • 「フランスにおける脱宗教性(ライシテ)の歴史」ジャン・ボベロ著 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    フランスを代表するライシテ研究の第一人者による、フランス革命から二〇世紀初頭までのライシテが確立していく歴史を概説した一冊。現在のライシテが直面する変化についても若干の言及が加えられている。 『国教を立てることを禁じ、いっさいの既成宗教から独立した国家により、複数の宗教間の平等ならびに宗教の自由(個人の良心と集団の礼拝の自由)を保障する、宗教共存の原理、またその制度。国家と公立学校などの公的領域を脱宗教化することで、私的領域における宗教の自由を保障するライシテの公私二元論は、宗教的民族的出自から切り離された普遍的市民権のベースにもなっている。』(P9) 書では脱宗教化と世俗化とは明確に区別される。脱宗教化とは『法律によってライシテに基づく公教育や政教分離が制度化される過程を示し』(P10)、世俗化とは『市民社会と文化・習俗において宗教の影響が減退する過程を示す』(P10)。このでは前者

    「フランスにおける脱宗教性(ライシテ)の歴史」ジャン・ボベロ著 | Call of History ー歴史の呼び声ー
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    hobbling 2015/01/21
    「ナポレオン獅子の時代」にフランス革命時の宗教破壊がこれでもかと描かれている。フーシェのリオン乱殺とか無茶苦茶にもほどがある。
  • 「江戸の海外情報ネットワーク (歴史文化ライブラリー)」岩下 哲典 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    徳川幕府の支配体制の解体から明治維新へと至るプロセスに「情報」が大きな役割を果たした。特に鎖国下の海外情報は幕府によって管理統制されてその流通は限定的であった。その中で限定的な海外の情報を流通させ活用しようという海外情報ネットワークが自ずと形成されることとなる。その江戸時代の海外情報ネットワークはどのようなもので、いかにして社会変革に影響を及ぼしていったかを描くのが書である。 まずは鎖国下の4つの口「長崎口」「対馬口」「松前口」「薩摩口」について主に長崎を中心に情報発信基地としての長崎の役割が描かれ、その情報のハブとして長崎から横浜へと移り変わる様子が、長崎・横浜の土産版画と情報の関係で描かれる。続いて享保年間に日にやってきたベトナムゾウとその反響から蘭学の興隆を通じての情報ネットワークの拡大、続く十九世紀初頭の海外情勢の変化とナポレオン情報をめぐる情報収集と知識人への拡散、アヘン戦争

    「江戸の海外情報ネットワーク (歴史文化ライブラリー)」岩下 哲典 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー
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    hobbling 2014/12/15
    ナポレオン本人もセント・ヘレナに幽閉されてた時、琉球に行ったことのある船長から日本と琉球の話を聞いたという記録が残ってる。
  • 「道教の世界――宇宙の仕組みと不老不死」ヴァンサン・ゴーセール&カロリーヌ・ジス 著

    道教というと非常に漠然と――いや「茫洋とした」という方がよりしっくりくるか――した印象を受ける宗教だが、このはその道教の歴史文化・思想について図表や写真をふんだんに使ってコンパクトにまとめた道教の世界観についての入門書である。道教については調べたいと思いつつ詳しく知らないままだったこともあって新鮮な気持ちで読んだ。著者は二人ともフランス人だが、実は道教研究をリードしてきたのはフランスなので、内容は格的でかつ非常にわかりやすくまとまっていた。 日の民間信仰を色々調べていると道教の影響が非常に強いことに驚かされる。特に江戸時代に大流行した庚申信仰はその最たるもので、現在では信仰自体はほぼ廃れたと言って良いが、今でも散歩していると神社仏閣をはじめ各地にその跡は見られる。これまで日文化や信仰に対する道教の影響というのは、神道が日の基層信仰であるというある種のドグマもあって、学問的には

    「道教の世界――宇宙の仕組みと不老不死」ヴァンサン・ゴーセール&カロリーヌ・ジス 著
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    hobbling 2014/12/07
    道教が地方に広ま流につれ、その地の信仰を取り入れて多様な形態になった。神道も日本の信仰を取り入れて変質した道教と言っていいレベルだし。古事記も日本書紀も道教ネタだらけだ。
  • 「真田三代 幸綱・昌幸・信繁の史実に迫る」平山 優 著

    2016年のNHK大河ドラマが真田幸村の生涯を描いた「真田丸」という作品になるそうだ。よく知られているように幸村は後世、創作作品で名付けられた通称で、存命中幸村と名乗ったことはなく信繁が正しい。しかし、江戸時代の軍記物や講談から文学作品、映画・ドラマ、さらに最近ではゲームまで繰り返し真田幸村として登場しており、戦国武将の中でも屈指の知名度を誇る人物だろう。僕も子供のころから様々な作品を通して真田幸村になじんできた。 幸村と信繁、創作上の悲劇の英雄と歴史上の一人の戦国武将との間には少なからぬ違いがある。このイメージと実態との差は信繁に限らず、真田一族全体にいえるもので、その違いを丁寧に解きほぐし、あるいは切り分ける作業が、戦国時代の真田氏研究の大きなテーマとなってきた。書はその真田氏研究の代表的な研究者である著者による真田幸綱(一徳斎幸隆)・昌幸・信繁の三代記である。来であれば三代目は信

    「真田三代 幸綱・昌幸・信繁の史実に迫る」平山 優 著
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    hobbling 2014/05/19
    平山さんは武田の専門家だけあって、騎馬隊や真田の研究には説得力があるが、鉄砲関連はイマイチな感じ。
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