神奈川文化賞を受賞している将棋棋士・森内俊之名人(41)=横浜市青葉区=が8日、伊勢原市上粕屋の上行寺を訪れ、8世名人・9代目大橋宗桂らの墓参りをした。 ことしは近代将棋の基礎を築いた初代大橋宗桂が将棋の名人を襲位して400年になる。江戸時代には名人位は世襲制で、大橋本家、大橋分家、伊藤家の3家が交代で受け継いできた。 現在の名人位は毎年タイトル戦として争われ、5期獲得すると永世名人の資格を得る。森内名人は通算7期保持し、18世名人資格者(襲位は引退後)。 将棋の駒をあしらった墓石に花を手向け、手を合わせた森内名人は「あらためて名人の重みを実感した。これまで大橋家は遠い存在だと思っていたが、身近に感じた」と語った。 住職の岩田憲雄さんは「見学するだけの人は断るが、故人を敬って墓参りする人は大歓迎。時の名人に来ていただいてありがたい」と話していた。