ニホンウナギが国際的な絶滅危惧種に指定されて4年が過ぎた。今も変わらずかば焼きなどが食卓に並ぶ一方、資源管理は実効性に欠け、流通にも不透明さが漂う。7月20日は土用の丑(うし)の日。ウナギを取り巻く現状をまとめた。【五十嵐和大、伊藤奈々恵】 ●根拠なき上限枠 ニホンウナギは2014年6月、国際自然保護連合(IUCN)が絶滅の恐れがある生物種を評価したレッドリストで、絶滅のリスクが高い「絶滅危惧1B類」に分類された。農林水産省の統計によると、漁獲量は1961年の3387トンから2015年には70トンにまで激減。減少の要因としてIUCNは過剰な漁獲や消費などを挙げる。一方、資源管理を担う水産庁は「保護するためではなく、ウナギを持続的に利用するため管理していく」と立場の違いを鮮明にする。 こうした姿勢は、絶滅危惧種に分類後始まった国際的な資源管理でも如実に表れる。養殖用に稚魚(シラスウナギ)を漁