毎年この時期、一本の梅の木を撮ります。この木です。 三重県にある鈴鹿の森庭園というところの巨大なしだれ梅の木。といっても、園内で一番大きな木というわけではなく、むしろ庭園の一番端っこの方にある、巨木ばかりの園内ではむしろ少し小ぶりの一本かもしれません。でも、その堂々と広げた枝ぶりに強い印象を受けました。今ではひっきりなしに人が訪れる場所になった鈴鹿の森庭園ですが、当時はそれほど人が多いわけではなく、僕はたっぷり三十分以上、この木の写真を撮りました。その数、約1000枚。そんなふうに一つの被写体に集中したのは、人生で初めてだったかもしれません。ちょっとした恋のようなものです、まあ、木ですけど。 2015年の3月20日撮影。今からもう4年も前になります。僕はちょうどその前年に東京カメラ部というところの10選に選んでいただいて、次の年の渋谷ヒカリエでの初展示にこの写真を持っていきました。ずいぶん
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