「SLA(Service Level Agreement)」とは,ITサービスを提供する組織が,自身の提供するサービスの内容や品質レベルについての数値目標を定義し,その値について顧客と合意を図ることである。SLAは,顧客とサービス提供者が相互理解を図るための有効なツールとして,広くユーザー企業にも知られてきている。しかしながら,いざSLAの導入となると,その検討が後回しにされてしまうことは少なくない。実際には,有効なSLAを定義できなかったり,そもそもSLAがない状況でサービスが開始されてしまったりするのである。 SLAとひと言でいっても,その内容は,システムの機能や非機能要件に関連する項目,日常の保守運用に関連する項目,サポート窓口や障害対応などに関する項目などさまざまである。本来はこれらのSLA項目を遵守するために,要件定義段階から十分な検討を行なう必要がある。検討が遅れると,開発フェ