自民党の安倍晋三元首相が街頭演説中に銃で襲われた。国内では過去にも、首相経験者ら大物政治家が襲われる事件が複数発生しており、現役の首相が暗殺されたケースもある。 戦前では、わが国で初めて本格的な政党内閣を誕生させた原敬首相が大正10年11月、東京駅で男に刺殺されたほか、浜口雄幸首相が昭和5年、東京駅で右翼活動家の凶弾を受け重傷を負い、翌年に死亡している。 7年2月には右翼結社の血盟団の団員が井上準之助前蔵相、三井財閥の総帥だった団琢磨氏を相次いで射殺した。また同年5月には青年将校が犬養毅首相を暗殺した「五・一五」事件が発生した。11年2月26日にも、陸軍の青年将校らが軍事クーデターを狙った「二・二六事件」が発生。天皇親政を唱えて首相経験者の高橋是清蔵相や斎藤実内大臣ら政府要人を殺害し、永田町一帯を占拠した。これらの事件は後に軍部が影響力を増す契機となった。 戦後も政治家襲撃が相次いだ。昭和