私が中学一年生のときの教師は、多数決を嫌う人だった。 クラスで何かを決めるときは、全員が納得しないと進めてはいけないというルールだった。 だから、一人でも反対意見を出すと、彼は却下の意を示した。 その結果、全員に納得が得られるまで、何回も同じことでクラス会を開くことになる。 しかし、学活(学級活動)の時間は週に一回しかない。 だから、そのクラス会は放課後に開かれることになるわけで、その教師の頃はしばしば、 うちのクラスだけ放課後に、全員でクラス会を開いて帰りが遅くなるということがあった。 これが、生徒の迷惑も考えず遅くまで残しやがって、本当に面倒な教師だったなぁ… というひとつの思い出で終わればよいのだが、そのクラスの中でも、私だけは違う感情を持っている。 というのは、私は当時、クラス委員だったのだ。 つまり私は、むしろ主体的に、クラス全員を遅くまで残してしまっていたのであり、 どちらとい
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