米ハワイのカイルアにある海兵隊基地でミシェル夫人と共にスピーチするバラク・オバマ大統領(2016年12月25日撮影)。(c)AFP/NICHOLAS KAMM〔AFPBB News〕 アメリカのバラク・オバマ大統領が2期8年の任期を終え、1月20日に退任する。「オバマ時代」とは何だったのか? 本稿では3つの観点から振り返ってみたい。 (1)“歴史的な大統領” 「バラク・オバマ」という名前は間違いなく、アメリカの政治史に残る。 まず、そもそもオバマは「ガラスの天井」(「みえない壁」)を破り去った人物である。能力や資質、経験が十分な人物が、当然、処遇されるべき地位を与えられない場合に使うこの言葉は、ヒラリー・クリントンが女性初の大統領の可能性があった2016年大統領選挙で日本でもよく知られるようになった。しかし、そもそも女性よりもアフリカ系発、非白人初の大統領職の“壁”の方が当然厚かった。20