東京電力福島第一原発の事故で、東電は22日、避難に伴う精神的苦痛の損害賠償額が、880億円になるとの見積もりを発表した。政府の原子力損害賠償紛争審査会が示した賠償の基準額をもとに試算した。支払い方法や時期は、政府などと協議して決める。 審査会が示した基準は、事故から6カ月間は避難住民1人あたり10万円で、体育館などへの避難者は2万円を加算する。7カ月目からは5万円に減らす。対象は仮払いの実績から15万人と想定。東電は、事故収束へ向けた工程表をもとに、期間を8カ月半で試算した。事故が長引けば、賠償額は増える可能性がある。 東電は、今回試算した880億円を2012年3月期決算に引当金として計上する方針。賠償額を決算に計上するのは初めてだ。これまで東電は、住民の避難費用や農漁業者らへの賠償の仮払いとして、約508億円を支出。しかし、いずれも仮払いのため、「最終的に支払う額が確定していない」と