東日本大震災で津波に襲われ、休館中の岩手県山田町の「鯨と海の科学館」で15日、泥まみれになったものの流失を免れたマッコウクジラの骨格標本を洗浄する作業が行われた。 全長17・6メートルで、マッコウクジラの標本としては世界最大級。商業捕鯨が禁止された1988年の前年に同県釜石市沖で捕獲された。 町観光協会の職員らが高圧の水や消毒液を吹きかけ、骨についた泥やカビをきれいに洗い落とした。科学館の専門指導員・道又純さん(61)は「鯨ももう一度海の水につかるとは思っていなかっただろう。復興のシンボルとして親しまれてほしい」と話していた。科学館は損壊した施設の補修を急ぎ、再開を目指す。