1. 私にとっての「音楽」について書いてみる。もしかしたら特殊な事例かもしれないが、何らかの参考になる気がするので公表する。 「音楽は「音を楽しむ」と書く。だから楽しいものだ」みたいな言葉をみると、沸騰的に苛立つことがある。まず、熟語漢字を一文字ごとに意味で解釈する仕草への違和感がある。「最幸」のような当て字の不気味さに近い感覚かもしれない。ただ、それ以上に、自分にとって音楽は「楽しい」だけでなく、つらく険しい体験を伴うものでもあるから苛立つ。もちろん「楽しい」が間違っているわけではないのだが、その言葉一つで割り切れるものでもない。 音源を聴く場合でも、ライヴ・コンサートでの演奏を目前とする場合にしても、あるいはクラブで踊る場合でも、「楽しい」と思うことはかなり少ない。少なくとも、肉体的な快楽とは別のものだと感じる。空腹のときにご飯を食べたり、心地よい気温と湿度の中で散歩したり、疲れている
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