アルゼンチンの作曲家でバンドネオン奏者、アストル・ピアソラの幻のオラトリオ「若き民衆」の日本初演が2月29日、東京・初台の東京オペラシティで行われた。 没後16年のピアソラはタンゴの世界以外でも、クラシックやジャズのミュージシャンが演奏曲目として頻繁に取り上げる“人気作曲家”。ただ1971年に西ドイツ(当時)の放送局のために書かれた「若き民衆」は初演以来忘れられた存在で、ようやく2002年米国で復活された管弦楽付きの合唱曲。 今回、日本を代表するバンドネオン奏者、小松亮太が中心になって実現、02年の復活公演にもかかわったタンゴ歌手のカティエ・ビケイラ、語り手のパブロ・シンヘルを迎えて、待望の日本初演となった。 全編50分弱かかり、楽器編成もバンドネオン、ギター、ピアノ、ドラムスがオーケストラと合唱に加わるというユニークで大規模なもの。特別編成のオーケストラ、合唱団を率いた指揮者、斉藤一郎ら