日韓両政府は25日、岸田文雄外相が28日にソウルを訪れ、韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相と会談すると正式に発表した。日韓は慰安婦問題での妥結を目指しており、日本政府予算で医療・福祉支援を実施することで最終調整。日本側が新たな基金を創設する方向で検討している。安倍晋三首相が元慰安婦に伝える言葉などをめぐり、立場の違いが残っている模様だ。 交渉の内情を知る複数の関係者によると、日韓は外務省局長協議や、国家安全保障局と韓国大統領府の協議などを通じ、①安倍首相が手紙などで元慰安婦へ伝える言葉②駐韓日本大使による元慰安婦の慰問③元慰安婦への日本政府予算での医療・福祉事業の実施――を軸に交渉を続けてきた。 このうち、医療・福祉事業については、2007年に解散した「アジア女性基金」のフォローアップ事業を拡充し、元慰安婦に医薬品などを届けてきた医療・福祉支援を手厚くする方向で一致。同事業は来年度当初予算案