最近、70年代の日本映画が好きで、よく観る。 映っている風景とか、生活とか、人間関係を眺めていると、いまの日本よりもゆったりしているというか、こまやかなところがあって、懐かしいというか、そこはかとなく憧れを持ってしまう感じだ。 『旅の重さ』という1972年の作品は、母子家庭から家出した主人公(女)が、四国でお遍路さんをしながら、いろいろな人と出会っていく話だ。 少女と大人の女の中間にいるような主人公の独特なありかたを描こうとしているようで、当時としてはかなりきわどかっただろう性的な描写もある。 とくに印象的だったのは、旅芸人の一座と合流した主人公が、女優の一人と海水浴をするシーンだ。 奔放な大人の女という感じの女優が、人気のない入江へ走って行って、服を脱ぎ捨てて海に入っていく。 主人公は最初のうちは戸惑っているのだけれど、やがて自分もパンツ一枚になって、海に入って二人で遊ぶ。 その後、主人