「二杯の天丼はうまく食えぬ」という倹約界隈で有名な言葉がある。 当然の話だが美味しい天丼といえども二杯目は満腹で食べきれない。それと同様に、資産や生活費が二倍になったときに幸福度も単純に二倍になるかといえばそうとは限らないだろう。節度を持って暮らしを営むことの大切さを説いた金言だ。 それはそれとして、天丼って二杯くらいならペロリといけそうじゃないか。むしろ食べてみたい。最近は質素な倹約生活でちゃんとしたものを食べてないから尚更だ。実際に二杯の天丼を食べてみることにした。
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変わった生き物や珍妙な風習など、気がついたら絶えてなくなってしまっていそうなものたちを愛す。アルコールより糖分が好き。 前の記事:切った髪がもったいないから、つけ髭を作ってみた > 個人サイト 海底クラブ アイデアは会話から トドにToDoリストを持たせてからというもの、ぬいぐるみ作りが楽しい。そんなわけで、最近は次に作るぬいぐるみのことを頭の片隅でいつも考えたりしているわけだが、このアイデアは同居人との会話から生まれたのだった。 「トドのときみたいなダジャレ動物のぬいぐるみ(実用性あり)を作りたいんだ」 「うん」 「『イカの印鑑ケース』を思いついたんだけど、ほかにもアイデアがほしい。なんか思いつかない?」 「うーん」 「なんでもいいんだけど」 「タコのパスケースはどう?」 「タコの?」 「タコの。オクトパスのパスケース」 「いいね」 「いいでしょ」 最初は「パス」の部分だけが掛け言葉にな
6月なのにもう夏日だし、休日はどこも人でいっぱいだ。 休みの日くらい、涼しくて人の少ないところに行きたい。 ならば新宿の地下だ。 新宿の地下を歩くというアクティビティを提案したい。 面白いの?と言われそうだが、これが非常に面白いのである。 丸1日、新宿の地下だけで過ごす 新宿の地下といえば、サブナードやルミネエストなどのにぎやかな地下街が思い浮かぶだろう。 レトロなビア&カフェ、ベルクのあるルミネエスト・フードポケット だがそれはほんの一部。 新宿の地下は、「地下街」だけでなく「地下歩道」やビルの「地下階」がアリの巣のように広がっているのだ。 上が東、下が西。オレンジの部分がすべて地下だ(都の案内板より、色を強調) 上端の新宿三丁目駅から、下端の中央公園の連絡通路まで、だいたい1.5kmほど。 新宿駅を中心として、地下鉄4路線4駅(都庁前駅、西新宿駅、新宿西口駅、新宿三丁目駅)に地下道から
行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。愛知県出身。むかない安藤。(動画インタビュー) 前の記事:沖縄「花笠食堂」のゴーヤチャンプルーには赤飯が付いてくる > 個人サイト むかない安藤 Twitter 上野に来たら二木の菓子 上野に「二木の菓子」というお菓子屋さんがある。 ものすごく目立つので見逃さないと思います 「菓子」というのは名ばかりで、実際には食品全般をすごい品揃えで扱っているお店です 豆コーナーの充実ぶりたるや。ここと近くの小島屋というお店でだいたい好きな豆が揃います 二木の菓子はただのお菓子屋さんではない。大袋に入った業務用からちょっと他では見ない珍しい品まで、すごい物量で勝負してくるお店である。 デイリーポータルZも二木の菓子が好きで、記事にしているばかりかツアーを組んだりもした。 そんな二木の菓子には道を挟んだ向かいに
海外旅行とピクニック、あとビールが好き。なで肩が過ぎるので、サラリーマンのくせに側頭部と肩で受話器をホールドするやつができない。 前の記事:チーズ500gを溶かしてつくるシチュー、なんか悪いことしてる気持ちになる > 個人サイト つるんとしている 色彩豊かな中央アジア 中央アジアというのは文字通りユーラシア大陸の中央あたり、カスピ海と中国に挟まれたあたりの国々をさす。むかしからシルクロードの中継地点としてさかえ、タイムスリップしたような古い街並みや、美しい草原など観光資源には事欠かない。 美しいイスラム建築が多数残っており、街が丸ごと世界遺産になっている また美食の数々も、中央アジアの人々が誇りとするところだ。この地は砂漠性の気候で、目に映る景色の9割は砂ぼこりけぶるカーキ色だけど、食べものはハッとするほど色彩豊かで美しいから不思議だ。 羊の串焼きに羊の蒸し餃子、トマト風味のうどん、ふかふ
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー) 前の記事:日本の淡水魚で一番巨大な幻の魚「イトウ」を食べる > 個人サイト Web独り者 彼女がいる風の地主恵亮 大泉町はブラジル 今回は群馬県の大泉町にある「Delicias by Vera Goto」というブラジル料理のお店のことを書く。結論から言うと、めちゃくちゃ美味しかった。しかも安かった。行ったことはないけれど、ブラジルで食べるより美味しい気がする。 Delicias by Vera Goto 「Delicias by Vera Goto」について書く前に、そもそもなぜ群馬でブラジル料理なのかを少し記したいと思う。理由は簡単で群馬の大泉町には多くのブラジル人が住んでいるからだ。ざっくりだけれど、10人に1人はブラジル人という
1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。 編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー) 前の記事:サンノゼかぼちゃまつり(デジタルリマスター) > 個人サイト webやぎの目 和菓子を考えたときに栗まんじゅうは出てきますか 同じドラえもんに登場するどら焼きは人気の和菓子だ。アイドルグループで言ったらセンター格である。塩大福やみたらしだんごもセンターかな。草餅や水まんじゅう、季節性のあるものもいいよね。すあまや若鮎なんてレアなのも忘れちゃいけない……。 そんなふうにして好きな和菓子について思いを巡らせたとき、出てこないのが栗まんじゅうである。「栗」と「まんじゅう」という人気者の二人を組み合わせたのに阿佐ヶ谷姉妹になってない。この喩えは適当だっただろうか。 (今回は僕の印象
1980年、東京生まれ。片手袋研究家。町中で見かける片方だけの手袋を研究し続けた結果、この世の中のことがすべて分からなくなってしまった。著書に『片手袋研究入門』(実業之日本社)。 前の記事:ドトールで感じる、世界の風~勝手に食べ放題 > 個人サイト 片手袋大全 「実物大」という説得力 自分の過去の記事、『有名人と同じ高さの棒で身近に感じられる』を思い出した。有名人の身長と同じ高さの棒を用意したら、本人がそばにいるような感覚を抱けたのだ。 アビーロードを渡るビートルズ。冗談のつもりが、一瞬だけ本当に四人が見えた “実物大”というのは思いのほか強い説得力を持つ。ならばそれを絵画にも応用してみよう。 え?モナリザが?中野に? な~に、簡単なことだ。世界中の名画と同じ大きさの白紙を用意するだけ。それを林編集長、べつやくさん、橋田さんと共に観賞していく。まずはルーブル美術館で、いや、世界で一番有名な
ベトナムの麺料理はフォーだけじゃないよ、と教えてもらったつけ麺があまりに衝撃的だったのでご報告します。 甘くてしょっぱくてニンニクがガツン!!!来たる蒸し暑い夏を吹き飛ばす、パワフルな味! ベトナムの麺料理はフォーだけじゃない わたしがブンチャーに出会ったのは、つくばにある「ベト味(あじ)」という、なんとも胡散臭い看板を掲げる小さなベトナム料理店だ。 店名からして只者でない感じが漂う。 ここで推されているのがブンチャチャム、通称「ブンチャー」だ。 メニュー写真からは、大盛りのサラダにけんちん汁に素麺?となんだかトンチンカンな組み合わせに見える。ブンチャー、一体何者なんだろう。 店主のクエンさん!空いていた時間でブンチャーについて詳しくレクチャーしてくれた おなじみのフォーがメニューに並ぶ中、見慣れないつけ麺があればそれがブンチャーだそうです。 3yk:フォーとブンは何が違うんですか?
1回表:早稲田「割りばし割り機」 最初は早稲田の佐口幸太郎さんの「割りばし割り機」からだ。 この真ん中の機械がそう 「割り箸というのは素手で割れるというのが長所であり特徴だと思うんですが・・」 と佐口さんが説明を始める。 「こういう形で割り箸をセットしまして・・」 「軽く握ると・・」 「バキャッ!」 と音がして割り箸が二つに弾け飛び、そのまま机に落ちる。 「おお〜」という歓声と拍手が鳴る。 「先生にいただいたお寿司を食べたいと思います」 と、いま割ったお箸を机から拾って使う。 鈴木先生による講評はこんなふうだった。 ・お箸を割ったら確実に下に落ちるところがいい ・落としたものは普通もう食べられない、なのに拾って使うというところが未知の領域 今回、じつはぼくも講評に参加したのだが、並べて書くのは恐れ多いので感想をふつうに地の文に書くことにする。この作品で好きなのは割れる時の音だ。箸を手で直接
大阪在住のフリーライター。酒場めぐりと平日昼間の散歩が趣味。1,000円以内で楽しめることはだいたい大好きです。テクノラップバンド「チミドロ」のリーダーとしても活動しています。(動画インタビュー) 前の記事:24時間営業でセルフスタイルのうどん屋「惑星のウドンド」のこと 山形のラーメンが食べたくて、旅 先日、どうしても山形に行くしかなくなった。山形のラーメンが食べたくて我慢ならなくなったのだ。私の両親は東北の山形県出身で、父の仕事の都合で一家で東京に出てきたのだが、その後もことあるごとに山形に帰省していた。 一応、物心がついた時から東京で育ってきた私だが、お盆や正月に家族で山形に行くのが楽しみで仕方なかった。父方の実家にも母方の実家にも歳の近いいとこがいて一緒に遊んでくれたし、叔父や叔母、祖父や祖母も私に優しくしてくれた。 親戚たちのおかげで大好きになった山形だが、そこで食べるものもやけに
1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー) 前の記事:食べると頭に音が鳴り響く高知の硬いお菓子「ケンピ」 思い出の地・鶴川 小田急線の鶴川駅にやってきた。なぜ、鶴川なのか。鶴川は学生の頃に通っていた町で、4年間を過ごした町だ。 この町も変わらねえな。 すごく楽しい思い出はないし、友だちと騒いだりしたこともない。話せる友人はいたが、基本は休憩スペースで寝てたり、ゲーム(モンスターハンターポータブル2nd Gやリンダキューブなどをやっていた)クイズの本を見たり、ラジオを聞いたりして過ごしていた。ひとりで寂しいように思うかもしれないが、それでも楽しかったのだ。 一人カラオケをしたカラオケ屋もあった。 よく行った立ち食いそばの箱根そば。 駅前は少しだけ変わっていたが、大き
鰻という生き物は美味い。他の魚とも肉とも違った食感、風味、満足感。米との相性は抜群で、米と一緒に食べるために神様が作ったのでは?と妄想してしまうほどだ。しかし鰻は今や絶滅危惧種。個体数は減り続け、毎年シラスウナギが捕れなかった、今年の丑の日はどうなる?という報道がなされ、ついに2013年、環境省はIB類としてレッドリストに掲載した。 そんな生き物を食べるのはどうかと思ってしまい、ここ15年ほどほとんど食べずに来たのです…。 あばよ涙、よろしく勇気、こんにちは松本です。 1976年千葉県鴨川市(内浦)生まれ。システムエンジニアなどやってましたが、2010年にライター兼アプリ作家として自由業化。iPhoneアプリはDIY GPS、速攻乗換案内、立体録音部、Here.info、雨かしら?などを開発しました。著書は「チェーン店B級グルメ メニュー別ガチンコ食べ比べ」「30日間マクドナルド生活」の2
行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。愛知県出身。むかない安藤。(動画インタビュー) 前の記事:ダムに滝にハンモック!3時間で楽しむ、新神戸観光 > 個人サイト むかない安藤 Twitter 横浜中華街にて ライター江ノ島くん、月餅さんと横浜の中華街を歩いていたときのことである。 横浜中華街 ふとのぞいたお店に「生ライチ」が売られていたのだ。 しかもばんばん売れていました 生ライチ? 僕はライチが好きで、食べ放題の焼肉屋さんなんかで見つけると喜んで食べていたのだけれど、あれだって生のライチじゃなかったのか。 お店の人に聞いたところ、生ライチはこの時期(5月下旬から6月にかけて)にしか入荷しない、冷凍ものとはまったく違うライチなのだとか。 買った ーーよく売られているライチとは違うんですか? 「ぜんぜん違うよ!生ライチが食べられるのは
1993年生まれ。京都市伏見区出身、宮崎県在住。天性の分からず屋で分かられず屋。ボードゲームと坂口安吾をこよなく愛している。 前の記事:「定休日」の看板を作って勝手にがっかりする > 個人サイト もがき続けて100年生き抜くブログ 榊の木の皮がすごく怖い 林の中で掃除しているときにふと榊の木の皮を見て驚いた。めちゃくちゃ人間の目みたいだったのだ。 めちゃくちゃ目だ。 こういうことですね。下の方に口みたいなのもある。 口裂け女とかより余裕で怖い 怖い怖いと言いつつも目のモチーフが好きなので、つい夢中で眺めてしまう。くさいと分かっているものを何度も嗅いでしまうような感じ。 見つめているとどんどん親近感が湧いてきて、しまいにはこの子を可愛くしたくなった。しなければ。もはや義務感と言っていい。 おれがなんとかしてあげないと 化粧する枝を用意する そうは言っても立木にイタズラをするわけにもいかないの
1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー) 前の記事:高知で町全体をバイキング会場とする 生きるとは何か 生きるとは何か。チキンナンバンを食べることだ。一般的には「チキン南蛮」と書くが、高知では「チキンナンバン」と書くそうだ。変換ミスじゃない。 なんでだ。それはこの記事を読んでもわからないのですが、おいしいということだけはお伝えしたい。 鳥心と書いてとりしん。 鳥がおいしいお店。 めちゃくちゃ並んでいる。めちゃくちゃ並んでいて「並んでいるなー」と思った。行列ができすぎている。それぐらい人気店。 先日、かなり並ぶラーメン店に行ったら、自分の2個前で売り切れてしまって泣いたことを思い出した。ここで泣くとは比喩ではなく、本当に涙を流してます。この日のために前日、なにも食
大阪在住のフリーライター。酒場めぐりと平日昼間の散歩が趣味。1,000円以内で楽しめることはだいたい大好きです。テクノラップバンド「チミドロ」のリーダーとしても活動しています。(動画インタビュー) 前の記事:神社の境内にあるピザ窯を使って露天ピザパーティーをしてみる 大阪府豊中市蛍池にある不思議な店 蛍池は大阪府の北の方にある豊中市の街である。阪急電車の蛍池駅と大阪モノレールの蛍池駅があって、「伊丹空港」と呼ばれることの多い大阪国際空港にもほど近い場所だ。 大阪の中心地・梅田駅から阪急電車の急行に乗って15分で着くから、それほど遠くない距離にある。とはいえ、友人に誘われるまで私は蛍池の街へ行ったことはなかった。 初めて行ったのが昨年の夏のことで、「面白いうどん屋さんがあって、好きなお酒を買ってそこで飲んでいいんだよ」と友人が言うので行ってみたのだった。「惑星のウドンド」という名前の店だった
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー) 前の記事:日本に棲む野生のインコを激写する(デジタルリマスター) > 個人サイト Web独り者 彼女がいる風の地主恵亮 ここ数年、歴史を知ってから食べるとさらに美味しいと気がついて、勉強してから食べるようにしている。これらの羊羹が登場する歴史を知るとおもしろいので簡単に説明したい。 羊羹の歴史 羊羹の歴史1)紀元前7世紀 最初は甘くなかった羊羹 羊羹のルーツは中国にある。春秋時代の紀元前607年に羊羹を兵士たちに振舞った記録が残っている。その羊羹は今のものとは異なり、羊の肉が入った汁物だった。だから羊羹なのだ。 これは現代の羊羹です! その羊羹が日本に入ってきたのは鎌倉時代から室町時代にかけて。中国に留学していた禅僧が点心として日本に
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