現実か幻か・・・ 私も分からないのである。 「そう言う記憶」は鮮明に思い出すことが出来るのだが、 どの出版社だったか とか どの駅で降りていたか 等の記憶がまるでない・・・。 よってこれから書く話は事実なのかもしれないし、私の夢の記憶や妄想・想像であるかもしれない、と言うことを大前提としてお読み頂きたい訳である。 以上、よろしくお願いいたします。 東京で漫画家のアシスタントをしていた頃のことである。 売れていない漫画家のアシスタントだけでは、この貧困からの脱出は不可能だと判断はしていた。 しかし、アシスタント業務は非常に不規則である。先生が急な依頼を引き受ける可能性があるからだ。その場合、即徹夜案件発動。 当初バイトをしていたパスタ屋も、そのせいで3ヶ月で辞めざるを得なくなった。 ある日、原稿を届けに自転車を走らせて神保町へ。 原稿を届け終え、一旦自転車を降りて手で押し、歩きながら町を見渡