【藤田直央】安倍晋三首相が憲法解釈を担う内閣法制局のトップを代えるなど、集団的自衛権の行使容認に向けた環境整備を進めるなか、元長官の阪田雅裕氏が朝日新聞のインタビューに応じ、平和主義や法治主義の観点から批判した。 新長官の小松一郎・前駐仏大使は、首相の意向を尊重せざるを得ない。だが、歴代首相が国会で表明を重ねた憲法解釈を変えることは、政府が9条の枠内で自衛隊の活動を模索してきた戦後の蓄積を崩しかねない。阪田氏はこうした手法の危うさを指摘した。 「集団的自衛権の問題は日本国憲法の三大原理の一つ、平和主義に関わる。国会の憲法論議も圧倒的に9条に集中して積み重ねられてきた。そういう蓄積を無視し、今までのは全部間違っていたということが、果たしてあっていいのか」 安倍内閣は憲法の柱である平和主義をめぐる新方針を、国会や国民が関われない解釈変更で実現しようとする。集団的自衛権の行使容認と9条の整