日本人は欧米人とは違い、新築住宅が大好きだとよく言われる。「古い建物を大事にせず、スクラップ&ビルドを繰り返している、もうそんなことはそろそろやめてはどうか」という意見はよく聞かれる。また、「日本の住宅寿命は30年程度で諸外国よりも著しく短い」という指摘もある。しかし、データからは、そのような“新築信仰”は近年、薄れてきたことが読み取れる。なぜ新築信仰が薄れてきたのか、そもそも新築信仰とは何だったのかを考えてみたい。 日本人の新築好きの根拠の1つとして日本の住宅寿命が短い、ということが指摘されている。この「日本の住宅寿命は30年程度」という説は、いつ、どこから出てきたのだろうか。筆者が確認した限りでは、公的な調査での初出は恐らく1996年の建設白書だ。そこには「日本の住宅の寿命は、建築時期別のストック統計から試算してみると、過去5年間に除却されたものの平均で約26年、現存住宅の『平均年齢』
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