1960-1980年の気象状況 寒冷で異常気象が頻発した小氷河期(1300-1917)以降は太陽活動が活発化し温暖化しましたが、1950年頃からは再び低温化傾向が始まりました。人工衛星による北極海氷観測が始まった1979年より以前の1960年代は、太陽活動が低調で「氷河期が来る」と騒がれたほどの寒冷期でした。次図が示すように、当時の北極海氷面積は拡大傾向にあり、「北極海の船の航行を妨げる海氷をどうやって融解させるか」が国際会議で真剣に議論され、原子力の利用さえ検討されていた程です。 死者228名、行方不明3名を出した「38豪雪」が起きた1963年には偏西風蛇行で日米欧は大寒波に襲われました。異常気象が頻発したこの時代には気象庁で長期予報を担当した著者たちによる次のような著書がベストセラーになりました。 和田英夫,安藤隆夫,根本順,朝倉正,久保木光熙著「異常気象―天明異変は再来するかー」(講