原発の安全性を確認した上で、その再稼働を進めるためにも原子力規制委員会の速やかな発足が不可欠だ。 野田佳彦政権は規制委の委員長候補として前原子力委員会委員長代理の田中俊一氏を提示し、国会で同意が得られれば確定する段階にある。 田中氏は1日、国会の聴取で安全規制に関する所信を表明した。だが、脱原発を掲げる民主党議員の一部が人事案を出し直すよう政府に求めるなど、早期決定は楽観できない情勢だ。 安価で安定した電力の確保は国の責任である。そのためにも大多数の原発が停止したままの不自然な状態からの脱却が肝要だ。野田首相は、民主党内の意見分裂で規制委の発足を遅らせるような事態を招いてはならない。 田中氏の所信は、原子力安全文化の再構築を厳正に目指す内容といえる。原発再稼働の判断基準については「技術的な点で精査が不十分だった可能性がある」とし、規制委で慎重に確認し、評価する必要性を打ち出した。 また、原