文:宮崎敬太、写真:有村蓮 金成玟(きむ・そんみん) 1976年、ソウル生まれ。ソウル大学や東京大学大学院などを経て、現在は北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授。「メディア」をキーワードに、現代の韓国を読み解く記事執筆も行っている。著書に『戦後韓国と日本文化「倭色」禁止から「韓流」まで』(岩波現代全書)や『K-POP 新感覚のメディア』(岩波新書)などがある。 K-POPの想像力はマスメディアからソーシャルメディアに転換した ーーK-POPにおけるファンの存在について意識したのはいつからですか? 2000年代半ばくらいですね。この本は80年代の韓国の音楽文化から話し始めているんですが、その頃は音楽業界や放送局が権威として君臨していて、音楽が一般市民にトップダウン型で配布されるような形で消費されていたんです。日本でいえば「NHK紅白歌合戦」に出演することが最大のステータス
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