<外国人「技能実習制度」の見直しは人権問題を改善させるだけでなく、結果的に日本人労働者の賃金アップにもつながる> 日本政府が外国人技能実習制度の見直しに乗り出した。この問題は放置しておけば日本が人権弾圧国家に認定されるリスクをはらんでおり、事態は極めて深刻だった。遅すぎたとはいえ、見直しに着手したことは朗報であり、日本人の賃金上昇にも効果を発揮しそうだ。 古川禎久法相は2022年7月29日、閣議後の記者会見で、外国人技能実習制度の本格的な見直しに着手する考えを示した。この制度は、新興国の外国人を対象に、日本企業で働きながら専門的な技術や知識を習得するというものだが、現実には安い賃金で外国人労働者を雇用する仕組みとして機能している。 そればかりか、一部の事業者は、賃金の未払いや過重労働、劣悪な宿舎など、重大な人権侵害を行っており、現代の奴隷労働として、国際社会でもたびたび問題視されてきた。