photo by Sinna Nasseri 今年でデビュー15周年を迎えるギター・ポップ・バンドReal Estateが、通算6枚目となるアルバム『Daniel』をリリースする。 そのタイトル通り、Kacey MusgravesやA Girl Called Eddyの作品で知られるDaniel Tashianをプロデューサーに迎えた本作は、カントリーの聖地ナッシュヴィルの伝説的なRCAスタジオAで録音され、Beyonceの新作でも演奏しているJustin Schipperがペダル・スティールで参加。しかしバンドが目指したのはカントリーではなく、R.E.M.『Automatic for the People』のような、タイムレスなサウンドだったという。 その言葉通り、これまでのアルバムに必ず収録されていたインスト曲や長尺のサイケデリック・ジャムを廃し、3分間のポップ・ソングを並べた本作。そ
プーマ・ブルー(Puma Blue)は突然現れた。2017年ごろに『Swum Baby EP』が静かに話題になっていったが、実に独特で、不思議な音楽だった。おぼろげに浮かんでいるようなサウンドに、ささやくように歌う声、全ての音は今にも消え入りそうに揺らめいている。その音楽は暗くて、退廃的。でも、セクシーであり、とてつもなくエモーショナルだった。DIYなやり方で制作しているのは明らかで、理想的なインディペンデント音楽であるように思えた。 しかし、同時に彼のバンドにはUKのジャズトリオVels Trioのメンバーも在籍していたこともあり、どこかパンク的なマインドさえも感じられる衝動的なサウンドであるにもかかわらず、演奏面では洗練されている部分も感じられた。実はブリット・スクールで音楽を学んでいたという話もある。粗削りであり、洗練されてもいる。エモーショナルだが、その音楽は全てがコントロールされ
どんな音楽であれ、自宅なのか、散歩中なのか、満員電車のなかなのか、イヤホンやヘッドホンで聴くにしても、はたまたクラブなのか、野外フェスなのか、サウンドシステムを通じて聴くにしても、「聴く環境」によって音楽の感じ方に変化を感じたことがある人は、きっと少なくないだろう。 9月30日、10月1日の2日間にわたって長野県・五光牧場オートキャンプ場で開催されるリスニング野外イベント『EACH STORY』は、来場者の音楽体験を拡張するような「聴く環境」づくりに力を入れている。 今年は、ジム・オルーク、石橋英子、山本達久によるトリオ「カフカ鼾」や、Matthewdavid、ファビアーノ・ド・ナシメントらが出演。1日のなかで四季の移ろいを感じさせる自然豊かな環境で、エレクトロニックミュージックや即興演奏、ジャズ、アンビエントなどといった音楽を、こだわりのサウンドシステムで浴びられる貴重な機会となる。 2
ジュリアン・ラージというギタリストは、何から何まで規格外だ。10代の頃からミュージシャンとして活動し、ブルースやブルーグラス、カントリーのシーンに足を突っ込んできたかと思えば、パット・メセニーやカート・ローゼンウィンケルなど一流ギタリストが参加してきたゲイリー・バートンのバンドに15歳の若さで加入。さらに20歳のときに録音した初リーダー作『Sounding Point』(2009年)をエマーシーから発表してメジャー・デビューを果たし、ジャズの世界でも天才少年ギタリストとしてその名を轟かせた。 その後もフレッド・ハーシュと共演したかと思えば、ジャズ・ピアニストのテイラー・アイグスティがシンガー・ソングライター的な感性を光らせた傑作『Daylight At Midnight』(2010年)ではニック・ドレイクの名曲“Pink Moon”を奏で、ブルーグラス新世代を代表するパンチ・ブラザーズのク
日時:2022年12月15日(木) 場所:長谷川逸子・建築計画工房 BY-HOUSE 聞手:今泉絵里花 (I)、成定由香沙(N)、福屋粧子 (F) 長谷川逸子(はせがわ・いつこ)・・・1941年静岡県生まれ。1960年関東学院大学工学部建築学科入学。1964年-69年菊竹清訓建築設計事務所。1969年東京工業大学篠原一男研究室研究生。1979年長谷川逸子・建築計画工房(株)設立、主宰となる。1986年日本建築学会賞、日本文化デザイン賞を受賞。早稲田大学、東京工業大学、九州大学非常勤講師、米国ハーバード大学の客員教授を務めた。1997年王立英国建築協会(RIBA)名誉会員。2000年第56回日本芸術院賞。公共建築賞。2001年ロンドン大学名誉学位。2006年アメリカ建築家協会(AIA)名誉会員。2018年第1回イギリス ロイヤル・アカデミー建築賞。 F:建築界のジェンダーギャップについて「建
元Ought のメンバーで結成されたポストパンク・バンド Cola、デビューアルバム『Deep in View』をリリース! 元Ought のメンバーで結成された、カナダ・モントリオールのポストパンク・バンド Cola がデビューアルバム『Deep in View』を Fire Talk から 5/20 リリース!ニューシングル「So Excited」のミュージックビデオを公開しました。Cola のメンバーは Tim Darcy (ボーカル、ギター)、Ben Stidworthy (ベース)、Evan Cartwright (ドラム)の3人組です。哲学者アラン・ワッツの同名の作品集にちなんで名付けられたこのアルバムは、エレガントなギターのグルーヴと結びついたリズムを基盤に、現代の生活やテクノロジーについてのコメントを、好奇心に満ちた叙情的な小品を通して表現しています。 先行シングル「So
マンションブロガーのらえもんが「自分が購入検討者だったときにほしかったサービス」として設計した、住まいスタジアムの開設から早7年。有料ファイナンシャル・プランニングサービス+住宅購入相談という形は、一定の役割を果たしてきた。このたび、二代目住宅アドバイザーにブロガーのらえもんとして就任するにあたり、住まいスタジアム運営会社代表の山田健介氏に、作ったときの思い、印象的なお客様、そしてなぜ住宅購入時にFPが力になれるのかを聞いてみました。 山田健介氏 ファイナンシャルアドバイスと住宅相談をセットで行うサービス「住まいスタジアム」代表 ハウスメーカー勤務から外資系金融機関を経てFPとして独立。住宅と保険に強いプランナーとして相談を行う。12年間での相談数は累計3,000件を超える。 「住宅ローン破綻を日本から無くす」「学校教育にファイナンシャル教育を入れる」ことを活動目的とする。 のら)本日はお
ムーンチャイルドが2012年の『Be Free』でアルバムデビューを飾ってから10年が経過した。2015年の次作『Please Rewind』でその唯一無二のサウンドとクオリティの高さで注目され、たちまち人気が定着した彼らはその後も『Voyager』(2017年)、『Little Ghost』(2019年)と素晴らしい作品をリリースし続けてきた。アンバー・ナヴラン、マックス・ブリック、アンドリス・マットソンの3人はいまや世界中のフェスで引っ張りだこ、忙しそうにワールドツアーを行っている姿が当たり前の光景になっている。 僕もこれまで3人に何度か取材してきたが、ムーンチャイルドについてずっと不思議だったのは、どこのシーンのどんな場所に属しているのか見えてこないことだった。南カリフォルニア大学のジャズ・スクールで結成され、LAが拠点であるのは間違いない。カマシ・ワシントン、スティーヴィー・ワンダ
米ローリングストーン誌の表紙を飾った、ドージャ・キャットのカバーストーリーを完全翻訳。昨年6月にリリースされた『Planet Her』が全米チャート21週連続トップ10入り(最高2位)、第64回グラミー賞では主要3部門を含む計8部門にノミネート。快進撃が止まらない新時代のアイコンについて、前後編合わせて2万字超のボリュームで掘り下げる。こちらは前編。 【画像を見る】ドージャ・キャット撮り下ろし写真(全5点) できればやりたくないこと 11月中旬、カリフォルニア州ユニバーサルシティにある民泊用住居にてドージャ・キャットと向き合っていた筆者は、「I Saw Her Standing There」のパンクカバーを聴きながら、彼女が作ってくれたロブスター&キャビアの絶品ブリトーをあっという間に平らげた。元カレについて語る合間に、彼女は常に持ち歩いている蛍光色の電子タバコをふかす(「チョコレートとセ
★4月21日に約10年ぶりのソロ新作『Americana』をリリースするレイ・デイヴィス(昨年末にサーの爵位を授与されたばかり)ですが、 今週末はなあ~んと、 3/3(金)、新作の試聴会+Q&Aセッション@Konk Studio(筆者のフラットから歩いて5分)、 3/4(土)、対面インタヴュー@北ロンドン某所(上の写真参照。筆者のフラットから車で5分。古い教会を改造したゴシック・マンションが多いハイゲイト地区にある会場。ご本人の邸宅からも「歩いて3分」らしい)、 と2日間連続でブリットポップの父=レイ・デイヴィスにお会いしてきました♪♪♪ (ブラーの”ボーイズ&ガールズ”の歌詞が、ザ・キンクスの”Lola”の歌詞からかなり引用されているのは皆さんもご存知ですよね?)。 で、筆者もこれまでのインタヴュー動画などから、 かなり気難しい人なんだろうな、、、と用心しつつ松村雄策氏が日本から送ってく
ユーリー・ノルシュテイン監督[映画.com ニュース]ロシアのアニメーション監督、ユーリー・ノルシュテインの生誕75周年を記念した特集上映「アニメーションの神様、その美しき世界」が12月10日から開催される。「霧の中のハリネズミ」「話の話」など、代表作6作品を高画質・高音質でよみがえらせたデジタルリマスター版で上映する。手塚治虫、宮崎駿、高畑勲監督らをはじめとした世界中のアニメーション作家からリスペクトされるノルシュテイン監督が来日し、自身の作品や幼年期、未来を担う子供たちに伝えたいことを語った。 ソビエト時代に、偶然アニメの世界に足を踏み入れることになったというノルシュテイン監督。切り絵を用いた緻密な作風で知られ、“アニメーションの神様”として称えられる唯一無二の豊かな映像表現はどのように生み出されるのだろうか。 「いつも幽霊や幻影から、どうやって私たちの未来を作り上げるかを考えています
2016年10月に刊行された『社会運動のサブカルチャー化』。本書で研究事例として扱われるのは、我々の記憶からやや色を落とし始めた2008年の「北海道洞爺湖G8サミット」での社会運動である。従来の研究では見落とされていた、社会運動に携わる人々の「日常」。それを数多くの人々への聞き取りによって浮かび上がらせてゆく。 今回のインタビューでは本書や、本書のもととなった博士論文『社会運動のサブカルチャー化 ——「2008年G8サミット抗議運動」での経験に焦点を当てて』を執筆するきっかけから、「社会運動サブカルチャー」という耳慣れない概念の正体について、社会学者の富永京子さんにお話を伺った。 「社会運動をやらなければだめ」と他人に言い始めてしまったら、自分は社会学や、社会運動論に対して貢献できなくなる ―― 学部時代は経営を専攻していたと伺っています。経営学という実学の方が面白そうですが、「社会学」に
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