結城浩『数学ガール フェルマーの最終定理』ソフトバンククリエイティブ この本を読もうと思ったのは、『数学ガール』が面白かったためです。 「学校では《これを証明しなさい》と言われる。《何を証明すべきか考えなさい》とは言われない。与えられた問題を解くことは大切だ。しかし、とくべき問題を発見することも大切ではないか。」(p.299) 前作である『数学ガール』を読んだときに、どことなく『ソフィーの世界』と似ている感じを受けたのですが、ソフィーの世界の中で主人公である少女に対して哲学の先生が問いを解くのではなくて、問いを立てることの大切さを言っていて、そのへんから似ていると思ったのかな、と思います。 「いったい、なぜなんでしょう。なぜ問題が解けないんでしょう。なぜあたしは重要なポイントに気づかないんでしょう。慣れ―なんでしょうか。」(p.205) 問題を解くための道具立てを全てもっていたのに、自分で