(英エコノミスト誌 2010年11月20日号) 日本の名高い企業文化は、減少する労働人口と知識集約型経済には適していない。 公共交通機関を使って移動すると、日本は地球上で最もネットワーク化された国の1つのように思える。40代以下の乗客の多くは、人の肩に寄りかかって眠っていない時は、一心不乱に携帯電話のボタンを操作している。 彼らには非常に広い交友関係があると思ってしまうが、東京大学で労働経済学を教える玄田有史教授は、彼らの多くはひたすら、ごく少数の親しい友人や家族に携帯メールを打ち続けているのだと言う。一握りの人とこれほど強い絆を維持することは、その大半が親しいとは言えない大勢の「フェイスブック友達」とつき合う欧米流儀とは大きく異なる。 このような強い人間関係は、強固に結びついた日本企業にも反映されている。中には創業来、身内主義が徹底している企業もある。例えば、三菱商事は1870年に日本の