小沢出馬に慌てているのは、霞が関の官僚たちも一緒だ。 操りやすい菅首相、何でも聞いてくれる仙谷官房長官、ヒヨッコ同然の大臣たちを相手に、せっかく官僚支配を復活させたのに、小沢政権になれば、再び力関係がひっくり返る。それが分かっているのだ。 小沢といえば、昨年の幹事長時代、宮内庁長官をどやしつけたことがあった。天皇と中国副主席の会談にからんで、ブツブツ言った羽毛田長官に「一役人が内閣の方針に文句があるなら、辞表を出してから言え」とやった一件だ。子供時代から一度も怒られた経験のない宮内庁長官は震え上がったと、今でも霞が関の“伝説”になっている。 小沢は事務次官会議廃止、内閣法制局長官の答弁禁止、天下り禁止なども主導してきた。公約の「政治主導」のためにはどんな偉い官僚にも容赦ない。だから元厚生事務次官だった宮内庁長官を平然と罵倒できる。こんな度胸のある政治家はいない。 ある官僚がこぼした