パルメニデスは、プラトンのイデア論にインスピレーションを与え、そのことを通じて、西洋哲学二千数百年の伝統の中で、格別の貢献をしたといえる。パルメニデスは形而上学の創始者と目されてしかるべき哲学者なのである。 パルメニデスは南イタリアのギリシャ人植民都市エレアに生まれた。プラトンによれば、ソクラテスが青年時代(紀元前450年頃)にパルメニデスと会ったとき、彼はすでに老人であったという。ここからして、紀元前515年頃に生まれたのだろうと推測されている。このパルメニデスを、ソクラテスは「畏敬すべきまた畏怖すべき人物で、あらゆる点で高貴な底知れないものを持っているようにみえた」と語っている。 パルメニデスはエレアのクセノパネスの弟子であり、またピタゴラス派のアメイニアスにも師事した。アメイニアスは高貴な人であったので、彼が死んだとき、パルメニデスは記念の神殿を建てさせたという。この逸話が本当のこと