大学卒業後、職業プログラマの道へ進んだ。多くのプログラマと違っていたのは、社内向けのソフトウェア環境を開発する部署で働いたことだ。「顧客の注文に従ってアプリケーションプログラムを書いたことはありません」と明かす。 入社1年目のことだ。C言語に自作のOOP(オブジェクト指向プログラミング)ライブラリを組み合わせる開発手法を採用した。そこまでして、オブジェクト指向プログラミングで開発したかったのだ。「今から考えると、入社1年目の新人が作ったライブラリを製品に組み込んでいた訳で、フリーダムな会社でした」と笑う。 やがてバブル崩壊がやってきた。社内向けソフト開発の仕事はなくなり、そのサポートが主な仕事になった。「暇になってしまった」。目の前にはUNIXマシンが遊んでいる。この時代のUNIXマシンは、まだまだ個人では手が出せない価格だった。そのUNIXマシン上で作ったのが、Ruby言語だ。 最初は1