プラスチックの木でなにが悪いのか: 環境美学入門 作者: 西村清和出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2011/12/21メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 226回この商品を含むブログを見る 情けなく空疎で無価値な本。 一応論文集なんだが、扱われている問題は表題となっている論文(そして質問)に集約される。ぼくは最初、「何が悪いのか」だから、プラスチックの木でもいいはずだ、という議論だと思ったら、この人は本当に悪いと思ってるのね。もちろんそういう考え方はあるだろう。 でも、その議論はすべてトートロジーにすぎない。たとえば一通り議論を終えたあとでのまとめのこんな文。 自然の木を断念してプラスチックの木に代えることは、それがけっして自然の木の美的経験の代わりになることはないから、単に自然に対する義務や自然の断念という倫理上の問題としてではなく、まずは美的にまちがいであり悪いのである。
![西村清和『プラスチックの木でなにが悪いのか』:だらしない印象論と詰めの甘い議論によるトートロジーしかない本 - 山形浩生の「経済のトリセツ」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/95ccfb1009486063f99cde8a1ae0f183f3fcd900/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41u7tJdOS-L.jpg)